第2章 Rigth Back To You
【雅紀side】
結局、ニノの行きつけの居酒屋に連れてこられた。
ニノのマネージャーの車に乗ってる間、心臓が壊れるんじゃないかと思うほどバクバクしてた。
なんで?
なんで、知ってんの?
だって、誰にも相談したこともないし、上手く隠してきたと思ったのに…。
『翔さんが、欲しくないの?』
ニノの声が頭の中で響く度、ドクンって心臓が跳ねる。
欲しい…?
翔ちゃんのことを?
それってつまり、翔ちゃんと付き合うってこと…?
「着きましたよ」
考え込んでたら、ニノの声で現実に引き戻されて。
個室に連れ込まれた。
とりあえず、ビールで乾杯して。
いつ核心を突かれんのかってドキドキしながら、どうやってごまかそうって、頭をフル回転させて考えてたんだけど。
ニノは「ロケとか大変でしょ?」なんて、他愛もない話をしてきて。
柔らかい笑顔に、ついつい俺もいつもの調子で話したりなんかしちゃって。
きっと、またからかわれたんだな。
いっつも、俺をからかって遊んでんだから。
なんて油断してたから。
「それはそうとさ…あなた、翔さんのこと好きでしょ?」
だから、突然投げられた言葉に、飲み込みかけたビールを噴き出しちゃった。
「汚いなぁ、もう…」
「な、な、な、なにを、言って……!!」
うっかり気が緩んじゃってた俺は、誤魔化すとかそんなこと出来るわけもなくて。
「やっぱりね。だって、バレバレだよ?あなたの態度」
心底楽しそうに、笑いやがった。
「………マジで?」
「マジで」
「そ、そんなに、出てる…?」
「うん。そりゃあもう、出まくってる」
俺は、脱力してテーブルの上に突っ伏した。
「……俺、死にたい……」
翔ちゃんにも、ばれちゃったかなぁ…。
もしかして、松潤にも………。
「大丈夫だよ。たぶん、翔さんは気付いてない。あの人、そういうとこ鈍いから」
「ほんと?そうかな?」
俺の言葉に頷いたニノは、悪巧みをしてる時の顔になって。
「……だからさ、告白しなよ?」
とんでもない一言を言い放った。
「…む、無理無理無理無理!!撃沈するに決まってるもん!絶対、無理っ!!」
「大丈夫、私の言うとおりに言えば」
ニノは自信たっぷりにそう言って。
思わず、唾をゴクンと飲んだ。
「……なんて?」
「…付き合ってくれなきゃ、嵐辞めるって」