第2章 Rigth Back To You
【和也ide】
全く...
普段は鈍感なくせに、こんな時だけ、妙な第六感働かせやがって///
逃げようとする相葉さん。
念のため、マネージャーに確認しといてよかったよ~
逃げられる訳にはいかないからね?
それなのに、まだうだうだ煮え切らないからさ、
とっておきのWord使ってみた。
『翔さんのこと、欲しくないの?』
ほらねっ...顔色変わったでしょ?
慌てて俺の誘いに乗ったけど、
もう、明らか挙動ってるからね?
始めっから素直に『行く行く!何食べる~?』ってさ、いつも通りにしてればよかったのに...
でもね、
そんな素直で真っすぐなあなただから、
きっといい仕事してくれる...
翔さんて、基本兄貴肌で面倒見がいいからね?
相葉さんみたいな人、突き放せないんだよ...
収録中も時々視線を絡め会う二人に、
俺は思わず爪を噛む...
手遅れか??
もうそこは、固まってんのか??
...そんなことないって、信じていくしかない///
まだ間に合う...二人の間に割って入れるはず...
だってつい2日前までは、そんなじゃなかったんだから...
俺は知らなかったんだ。
翔さんと大野さんが、もう何年も身体を繋ぎ合ってきたこと...密かな逢瀬を紡いできたこと...
だから、こんな大胆な計画、相葉さんに持ちかけることが出来たんだ...
「「お疲れぇ~!!」」
目黒にある行きつけの居酒屋の個室で、俺は相葉さんとグラスを合わせた。
普段は個室じゃなくてもいいんだけど、今日は特別。
立て込んだ話になるから...
「何頼もうっかなぁ~?ニノ、何にする?」
「適当にね、持って来てもらうようにしてあるよ」
「おっ、流石だね~...へえ~、お洒落だね、ここ...よく来るの~?」
相葉さんは、狐にロックオンされた野ネズミのように、キョロキョロして落ち着かない。
...まあまあ、そんな怖がんなって///
「どう?調子は?...ロケとか、大変でしょ?」
俺は他愛もない話で、彼の緊張を解していった。案の定、仕事の苦労話で相葉くんは饒舌になっていった。
そして...
頃合いを見て、彼が気になって仕方なかった話題を振ってやった。
「それはそうとさ...あなた、翔さんのこと好きでしょ?」