第13章 キミの夢を見ていた
【和也side】
全くさ。
そんな顔して、彼女を守るみたいな態度で来られるとね...ダメだなんて言えないよ..
いつもふにゃふにゃしてるくせに。
そんなカッコよく、迷いなく言いきりやがって。
まあ、元々、翔さんとこに行けって言った訳だし、今更難癖つけるつもりもないけどね?
...仲良く頭なんか下げちゃってさ...
娘を嫁にもらいに来たぼんぼんかよ///って、
突っ込みたくもなるよ~
「よかったね...二人。ほんとは悔しいけどさ、これからは応援するよ...」
って。
どんだけお人好しなんだよ。俺は笑顔で祝福する相葉さんに、呆れた。
でも、その真っ直ぐさが、羨ましいよ...
黙っている俺に、
「ニノ...ほんとに、いろいろありがと」
って智が言った。
翔ちゃんは、少し上目遣いに、申し訳なさそうな顔して、俺を見てる。
「...ま、仲良くやってよ!...仕事中にイチャイチャしてたらペナルティーだからね!」
そう言ってやると、二人して、にっこり顔を見合わせてた。
....なんだよそれ...
松潤と相葉さんは、翔ちゃんで、俺はこの目の前のデレデレおじさんだったわけで。
自分としては、精いっぱいやったから、悔いはない。どんなに頑張っても、どんな手を使っても、きっとこの二人はこうなった...
そう思うから。
悔しいけど、祝福しますよ...
俺だってね、そのくらいの力量はあるっての///
大野智に、真っ直ぐぶつかった。
本当の自分を曝け出した。
初めてだよ、この年になって...
でもこの先、また恋をすることがあったら、その時は、こんな風に有りのままぶつかるのも、本来の二宮和也で勝負するのも、悪くないかな?
って...そう思った。
「ニノ...大丈夫~?」
少し離れたところで、3人が笑って話してる。
それを見るともなくぼんやり見ていたら、後ろから相葉さんが声を掛けてきた。
「何が~?」
「え~?リーダーのこと...まだ吹っ切れてないでしょ~?」
「そういうあなただって!」
「そりゃそうだよ...大好きだったもん...今でもね...でも、いいんだ!悔いはないよ。こんな一生懸命やったの生まれて初めてだもん!!」
......何なんだよ///
俺と同じこと言ってんじゃね~よ...
でも、相葉さんの優しさが沁みた。