第13章 キミの夢を見ていた
【智side】
な〜んだ、おはようエッチして欲しかったのにさ〜。
でも、さっきの顔、ちょっと可愛かったな♪
理性と欲望の狭間で、一生懸命戦ってた。
理性が勝っちゃったみたいだけど〜
朝ごはん食べたら、誘ってみよっかな?
今度は、どっちが勝つんだろ?
「朝ごはんって、なに作んの〜?ってか、翔くん、なに作れんの?」
振り向いて訊ねると、首を傾げた。
なんだ、それ?
そっちが朝ごはん作ろうって言ったんじゃん。
まぁでも翔くんにやらせると、どうなるかわかんないしね。
だってタコときゅうり切るのも出来ないって言うんだよ?
ブツブツ切るだけなのにさ。
冷蔵庫を開けると、以外にも卵や野菜が入ってて、驚いた。
「いろいろ入ってんじゃん。なに?もしかしてちゃんと作ってたの?」
「あ〜それは雅紀がさ…」
言い掛けて、思いっきりしまったって顔して口をつぐんだ。
…そういうことね。
「ご、こめん!その、あの、それはその…」
無言のまま背中を向けた俺に、焦ったように言って。
背中からぎゅっと抱き締められた。
「…ごめん…」
「違うよ。怒ってるんじゃないから」
ただ、ちょっと切なくなっちゃっただけ。
相葉ちゃん、どんな気持ちでキッチンに立ってたのかなって。
バスローブのことだって…。
「智くん…」
「ほら、作ろ?俺、野菜切るから、盛り付けてよ」
過ぎたことを後悔してもどうしようもない。
俺と翔くんの罪は、これから一生掛けて償うしかない。
翔くんを、大切にすること。
嵐を、なにがあっても守っていくこと。
それしか、あいつらに許してもらう方法はないと思うから。
俺が野菜を切って、翔くんがお皿に盛り付ける。
俺が目玉焼きを作る間に、翔くんがパンを焼く。
その間に、時々キスをして。
二人で作った朝食は、今まで食べた中で一番美味しかった。
「さてと。送ってくよ」
食べ終わって、翔くんが言った。
「え?いいよ。ここからいけばいいじゃん。同じとこ行くんだし」
「え、でも、マネが迎えに来るでしょ?」
「断りゃいいよ。翔くんちに泊まったからって」
「え、あ、いや、でもさ」
なんでそんなに困ってんの?
俺は立ち上がって、向かい側に座る翔くんの膝の上に跨がった。
「智くん…?」
「ねぇ…おはようエッチ、しよ?」
さぁて。
どうする?翔くん。