第13章 キミの夢を見ていた
【翔side】
遠くでアラームが鳴っている。
あと5分...スヌーズで寝よう...
目覚ましを止めようと手を伸ばしてその先に、何かふわふわなものに触れた。
「わあ――――っ///」
思わず飛び起きると、そのふわふわがモゾモゾと動いてこっちを向いた。
「...おはよう...もう起きるの~...?」
「あ...」
そうだった。夕べ智くんとエッチしてから、抱き合って眠ったんだった...
今までは背中向けて寝ていたから、こんな近くにいることに、正直慣れてなくて...
びっくりした!!...んで、一気に目が覚めた。
「今何時~?」
ふわふわが聞く。
「8時...」
「え~??まだ早いじゃん...翔くんおじいちゃんみたいだね~...早起き...」
そう言いながら、ふふふっと笑う智くん...
「おじいちゃんにおじいちゃんなんて、言われたくない!!」
俺は智くんに抱き付いてその脇腹をくすぐった。
「ちょっ!やめて!やだ~///あははははっ///...お願い...も~やめて..」
「だめだ!こんなかっこいいお兄さんをおじいちゃん扱いして~!」
もうしばらくくすぐって、智くんが泣いて許しを乞うたので、止めてやった。
「...はあ、はぁ、もう....でも、ほんとに、かっこいいよね。翔くん...朝からキラキラでイケメンで...」
...なんだよそれ?...俺は一気に赤くなった。
「いらないから...そ~いうの...」
そういって顔を反らすと、智くんのきれいな手が俺の両頬をもって、自分の方を向かせた。
「ほんとに。かっこいい♪俺、昔っから翔くんの顔が大好きなんだ...よく見せてよ...」
.........20㎝位の近さで見つめあう俺たち。
しっ、心臓が...ヤバい///
そ..そんな目で見ないでくれ...朝とか関係なく、また押し倒しちゃうだろ~...
しばらく無言で見つめ合ってたけど、
「朝ご飯作るよ...」
俺の理性がなんとか踏み留まってくれたようで、智の手をほどいて立ち上がった。
「な~んだ..おはようエッチ、してくれるかと思ったのに~...」
お、お、お...おはようエッチ??
なんだよその甘々の響きは~///
俺は別の世界に来たような、浮ついた気持ちのデレデレした朝を迎えた俺は、智くんの後をついて寝室を出た。