第12章 同じ空の下で
【翔side】
智くんが俺のことを好きだと...
Jr.の時からずっと好きだったって、
そう言ってくれた。
彼の口が、俺を好きだという日が、まさかホントに来るなんて...
智くんの澄んだ声が、好きだと、
俺に向けて紡ぐのを....
夢のような気持ちで聞いていた。
でもさ。
一応ここ、外だしさ。
俺たちは嵐だし....
しかもこんな並んで号泣とか...
ちょっと冷静になってみると、
あり得ないでしょ!?
本音を言えば今すぐここで押し倒したいところだけど、そこはね?ほら俺、理性的で売ってるからさ♪
「...翔ちゃん...ちゅうしたい...」
....隣の人はそうでもないことに、今更だけど気付くわけで...
こんなとこで無理でしょ?
って言わなきゃいけない場面だろうけど。
俺だって、同じ気持ちだからね...
周囲を3回確認し、
俺は電光石火の早業で、智くんの唇を奪った。
時間にしたら0.5秒の出来事。
「ムードないのは、そっちじゃん///」
そう口を尖らす彼に、もう心臓鷲掴みだよ〜
「後で、ゆっくり...ダメ?」
そう言って顔を覗き込むと、
「じゃあ、今すぐ行こうよ!」
って、俺の手を取って立ち上がった。
....全く、さっきまで泣いてたくせに..まあ、俺もだけど。
ヤりたい盛りの高校生かよ、ホントに...
ちょっと笑った俺に、智くんは、
「しょうがないじゃん!もうずっと、翔くんに触ってないんだから///」
.....えっ?俺の心の声、聞こえたの??
人気のない公園を選んでここに来たけど、
流石に長居は危険だし...
それにさ。
早く思いっきり智くんのことを抱き締めたいんだ。
今まで出来なかった分と、言えなかった気持ちをこめて、思いっきり愛しあいたい。
ということは...
車に乗り込んだ俺は、助手席の智くんに、
「確認ですけど、この後は俺ん家でいいのかな~?」
と聞いてみた。
「いいよ♪もう、ホントはそこまで待てないくらいだけど、頑張るわ、俺...」
......なんでそこドヤ顔なの...
車は夜の街に滑り出した。
いろいろ聞きたいこともあったけど、何から話したらいいのか...
その時、智くんが俺の手を握りながら言った。
「翔くん...これって夢じゃないよね?」
って、目を潤ませて。