第12章 同じ空の下で
【翔side】
こんな時でも眠れる彼に苦笑いした。
...全くさ、こんなに俺が緊張してるのに、寝るかな?普通...
「わあ~!!凄いね、ここ...綺麗...」
「でしょ?」
すると、俺の顔を覗きこんでた智くんが、
「前に誰かと来たことあるの?...こんなとこ...」
って...少し口をすぼめた。
それが可愛くて、俺の緊張は少しだけ和らいだ。
「こっち座ろうっか..」
「うん...」
ふたりで並んで腰を下ろした芝生...冬にしては、風もなくて暖かい夜だった。
......はあ...いざとなると、やっぱり言葉が上手く出てこない...俺の想いを...
10年分の気持ちを、伝えたいって、そう思うのに...
智くんを前に、何から話せばいいのか...
どうしてていいのか、もう分からなくて。
後10秒数えたら告白しよう!
そう決めて胸の中で数を数えてみる...
......それを24回繰り返したとき、智くんが、
「翔くん...松潤とは...どうなってるの?」
と聞いてきた。
「えっ?」
不意にそんなことを言われ、一瞬固まった。
「俺さ...翔くんが、松潤と付き合ってたら...って、今でも怖くて...っていうか......
あ~///じゃなくって。そんなこと聞きたいんじゃなくてさ...俺...その...ずっとさ...」
「待って、智くん!!」
「えっ?」
ダメだ。俺から言うつもりで誘ったんだ。
智くんに、俺が言いたくて...だから...
俺は大きく息を吸い込んでから、智の方を見て言った。
「智くん...好きだ...初めて誘ったあの日から...いや、その前からずっとだな...
智くんのことが好きだった...言えなくて、苦しかった...気持ちが溢れ出しそうで...
好きだって...ずっと言いたかった...」
「翔くん...」
声が震える...目の奥が熱くなって、泣ぎだしそうだ。
「こんな言葉言うのに、10年もかかった...
...智くん...あなたが好きです...
俺と、付き合ってください」
言い終わったと同時に、涙が零れ落ちた。
智くんは、目にいっぱい涙をためて、俺をじっと見ていて。その目は、俺と同じ気持ち...
そうでしょ?勘違いじゃないよね??
智くん...君の気持ちを聞かせて...