第11章 ふたりのカタチ
【和也side】
今日は収録が午前中からあり、
メンバーも思いっきり眠そうな顔で集まってくる。
「何その寝ぐせ~?」
いつも通り、智に声を掛けると、一瞬驚いたような顔をしたけど、直ぐに笑って、
「そんな可笑しい~?30分前まで寝てたから...」
って言った。
「可笑しいなんてもんじゃないよ!どうやって寝たら、そんな寝ぐせになんの?」
相葉さんも、笑って智の頭を撫でた。その時...
「うい~っす」
これまた寝起きって感じの松潤と、すぐ後ろから、同じような翔ちゃんが一緒に登場した。
えっ??その光景に、楽屋は一瞬静まり返った。
寝不足の顔した松潤と、明らか寝起きでぼ~っとした翔ちゃんは、誰が見ても、夕べ一緒に居たことを匂わせてた。
そんな中、松潤が、コンビニの袋から、
おにぎりを二つだし、その一つを翔さんに投げて渡した。
やっぱりだ...一緒に買ってきたんだ...
そんな二人のこと、相葉さんは泣きそうな顔して見てて、智は、いつの間にか背中を向けていて、その表情は分からなかった。
......翔ちゃん...どうして??
智にいくんじゃなかったの??
自分の気持ちに、ちゃんと向き合うつもりで、相葉さんと別れたんじゃなかったの??
俺は、モヤモヤした気持ちで、翔ちゃんの顔を見ていた。携帯を弄りながらおにぎりを頬張るその横顔からは、彼の気持ちは全く見えなかった。
次の瞬間、俺の視線に気付いた翔ちゃんが俺の方を見た。そして、ほんの一瞬だけ顔を少し歪ませたけど、直ぐにまた携帯の画面に視線を落とした。
...何やってんだよ??翔ちゃん..
収録が終わり、智が直ぐに別の仕事で出てしまうと、相葉さんが待ってたように翔ちゃんに詰め寄った。
「翔ちゃん、松潤と別れてないの??」
そのストレートな質問に、翔ちゃんが答えるより早く、松潤が割って入った。
「そんなこと、相葉くんに関係ないだろ?」
「俺は、翔ちゃんに聞いてるんだ!!」
「...ふん...負け犬が、今更..行こう、翔くん」
そう言って翔ちゃんの腕を掴んだ松潤を無視して、相葉ちゃんは、
「翔ちゃん!なんで?どうして松潤なんかと...違うだろ?...翔ちゃん//」
翔ちゃんは泣き出しそうな相葉ちゃんに、
「...ごめん」
と呟くように言って掴んだその手を解いた。