第11章 ふたりのカタチ
【潤side】
ニノとリーダーも別れたって!?
しかも、相葉くんと翔くんより前に。
なんで!?
上手くいってたんじゃなかったのかよ!
ニノ、幸せそうに笑ってたじゃないか!
なにがどうなってんだよ…
なんでこんな急に………
『ホントにわかんないで聞いてるの?』
『もう、解放してやれよ…』
ニノの言葉が、ぐるぐる頭の中で回ってる。
解放してやれってなんだよ?
まるで俺が翔くんを縛り付けて、飛べなくしてるみたいに……
不意に、最近の彼の様子が思い出された。
焦点の合わない目で、どこか遠くを見ていて。
かと思えば、狂ったように俺を求めてきて。
あまり、笑わなくなって。
それは……
浮かんできた考えを、振りきるように頭を何度も振った。
違う!
翔くんは、俺を求めてくれてる!
いてもたってもいられなくて、彼に電話を掛ける。
だけど何度コール音を鳴らしても、応答する気配はない。
仕方ないから、LINEで会いたいと送ってみる。
だけどいくら待っても、既読にならなくて。
なんでだよ!
こんな急に、掌を返したみたいに。
俺の気持ちなんて、いつだって考えてくれない。
俺のこと、どうだっていいのかよ…!
一晩中、携帯を握りしめたまま、翔くんのことを考えていた。
でも、彼からの連絡はなかった。
やがて、窓の外が少しずつ白んできて。
新しい朝がやってきたのが、わかった。
翔くん…俺、あんたの側を離れる気、ないから。
例えあんたの心が違うところにあるんだとしても、絶対に離さない。
泣いても縋っても、みっともないとこ見せても。
絶対にあんたから離れない。
それが一晩考えた、俺の答え。
時計を確認すると、7時前。
今日は5人での収録だけど、その前に俺と翔くんだけの雑誌の撮影が入ってた。
二人だけで会えるチャンスは、そこしかない。
俺はマネージャーの迎えを断り、早めに家を出てカフェでモーニングを食べた。
それから早めに楽屋に入って、彼を待つ。
きっと、一番最初にくるはずだから。
30分ほど待つと、カチャリとドアが開いた。
「おはよう」
まだ誰も来ていないと思ったんだろう。
俺が声を掛けると、驚いたように目を見開いて、動きを止めた。
「…ずいぶん、早いんだな…」
視線を逸らした彼を真っ直ぐ見つめる。
「…翔くんを、待ってたんだ…」