第11章 ふたりのカタチ
【和也side】
夜。相葉さんからLINEが入った。
『さっき、翔ちゃんと別れたから』
直ぐに折り返して、今から行こうか?って言ったら、『俺は大丈夫だから』ってさ...強がってるの分かってるけど。
俺が言ってもまた、ふたりで抱き合って女々しくおいおい泣くだけだから...
行かないよ?お前がいいっていうなら..
だって俺たちはいつまでも同じ場所でうじうじしてる訳にいかない...そうだろ?
幸せになってやらなきゃ///
あの二人よりね...
「昨日の今日って、そんなに直ぐ別れなくても..」
そう言うと、
『善は急げ!あれっ?善でもないか?まあ、決心が鈍らないうちにと思ってね』
って...相葉さんらしいよ。
後は、潤くん、だな...
翌日は松潤と二人でテレビ誌の取材だった。
これはもう、俺に動けと言ってるようなもんだろ?
悔しいけど、あの二人がまた笑い合えるように...一肌脱げってことだよね?
撮影の待ち時間、最初かっらそわそわしてた松潤の方から、俺に声を掛けてきた。
「ニノ、ちょといい?」
...珍しいね、君のそんな切羽詰まった顔見るの。
俺たちは人気のない廊下の隅に行った。
「相葉くんが翔くんと別れたって、知ってた?」
「うん...松潤こそ、情報早いね~...流石は..」
「ふざけんなよ!」
声を荒げた松潤に、唇に指を当てて制した。
「ニノとリーダーは上手くいってるんだよな??」
「俺たちも別れたよ...正確には相葉くんたちより一日早くね...」
「どうして??」
その言葉に、俺は松潤の顔をじっと見た。
「どうして??...ホントに分かんないで聞いてるの?」
松潤は黙った。
分かんない訳ないもんね...あんたが抱いてた翔ちゃんは、抜け殻...心なんかなかった..
松潤の大きな目が、不安げにゆらゆらと揺れている。
「もう...解放してやれよ..あの人たちは、他の人じゃダメなん..」
「いやだ!!俺は翔くんと別れない!!」
強く握った拳をじっと見ていた松潤は、俺を射るような目で睨んで言った。
「俺は翔くんがいないとダメなんだ...欲しいのは翔くんだけだから...」
『松本さん、二宮さん!撮影準備できました~』
仕事が終わると、松潤は俺の顔も見ないで帰って行った。