第10章 Tears
【和也side】
リビングの白いラグの上、
一糸纏わぬ智が、俺のことを見上げてる。
.....そんな目で見るなよ...
そんな、
哀れむような目で、俺のこと見るな///
彼の見ている前で、俺はわざとゆっくり服を脱いでいく。
智はそれを、悲しげな顔で、ずっと見ていた。
最後の一枚を擦り下げると、
その真ん中で、腹に付きそうな程に反り返った俺自身が、飛び出した。
智はその途端、目を背けて、
ソレを見ないようにした。
「...どうして?..何で見ないの?
..俺が疲れてるときも、智が口で勃たせて、
自分から跨がって来たじゃん!....」
「....ヤダ...言わないで..」
目をぎゅっと瞑り、耳を塞ぐその姿に、
俺は怒りで、身体中の血が一気に逆流した。
「何で?...今さら、なんだよ?...俺が好きだって、そう言ったじゃん!」
俺の顔を見ようともしない智が、
憎らしかった。
腹の上に馬乗りになって、
噛み締められた唇に、キスしようと近付くと、寸前のところで逃げられて、
その頬を両手で押さえて、無理矢理唇を奪った。
いきなり激しく吸い、閉じられた歯列を抉じ開けて、その中に舌先を差し込む...
逃げる舌を捕らえて絡めて、強く吸い上げると、卑猥な水音が響いてきた。
すると智の身体も、徐々に弛緩して、俺を受け入れた。
「智...好き..愛してる...」
「..んっ..あっ..んん...」
息が苦しくなるようなキスをしながら、
智の脚の付け根に指を這わすと、
そこはまだ、何の反応もしていなかった。
....悔しくて...
...悲しくて...
泣きそうになった。
こんなに好きなのに...
智だけを愛してるのに...
どうして届かないの...?
無理にでも、
自分でするのと同じように、
いつも智にするように、
手で扱いていると、ソコは徐々に質量を増して勃ち上がってきた。
「身体は、正直だよね...」
そう揶揄うように笑ってやれば、
智のその目は、怒りでも悲しみでもなく、
絶望に縁取られて揺れていた。
そんな目をするなよ...
そんな目で見ないでよ...
俺が、惨めに....なるじゃんか....
智...智....
俺と翔ちゃんと、
何が違うって言うの...?