第10章 Tears
【和也side】
翌日。
相葉さんから『話しがある』ってLINEがきた。
俺は、話したくなかった。
だって、嫌な予感がしたから...
『俺はない』ってそう返事した。
夜。
夕飯を済ませて後片付けをしていると、インターフォンが鳴った。
「あ、相葉ちゃんだ...」
「待って..」
俺が止める前に、智が勝手にロックを解除してしまって、暫くすると玄関のチャイムが鳴った。
どうするの?って顔して俺を見てる智...
ここで開けない訳にもいかないから、俺は渋々ドアを開けた。
「こんばんわ...」
「相葉ちゃん、どうしたの?」
「リーダーごめんね。ちょっとニノのこと借りてもいいかな〜?」
いつになく真剣な顔した相葉さんに、俺はなにも言えず、
「もちろん、いいよ」
と智も言った。
そして、マンションの駐車場。
相葉さんの車の中。
「どっかで、コーヒーでも飲みながら話す?」
相葉さんはそう言いながらエンジンをかけたけど、俺は、
「ここでいいよ」
彼の顔も見ずにそう答えた。
「...そう?」
相葉さんがエンジンを止めると、車内に静寂が訪れた。
どちらも、何も話さず、駐車場の灯りが僅かにお互いの輪郭を浮かび上がらせていた。
「ニノ...リーダーと翔ちゃんのことだけど...」
「....」
「...あの二人さ、どう思う?」
心なしか、相葉さんの声は震えていて、膝の上で握られた拳は、強く握られていた。
「...俺さ、翔ちゃんがずっと好きで、絶対に離れたくないって思ってたよ...もちろん、今も思ってるよ///」
彼が何を言おうとしてるのか、そんなの聞かなくたって分かってるよ...
聞きたくない///
でも、彼を止めることも、俺にはできない。
だって。
.....相葉さんに言われなくても、俺だって分かってるんだ...気付いてるんだよ...だけど///
「もう...やめようか...俺たち」
弾かれたように相葉さんを見た。
彼の目には、今にも溢れそうに涙が溜まっていた。
「...相葉..さん..」
「このままじゃ、リーダーも翔ちゃんも壊れちゃうよ...俺たちだって...」
「でも!!」
「ニノ!リーダーと居て、幸せ?
俺はさ...今の翔ちゃんと居ても、幸せじゃない...俺が好きだった翔ちゃんは、もういないんだ...」