第10章 Tears
【和也side】
5人の間に流れてる、どうしようもない虚無の空気感。やり場のない思いだけが空回りして交差する...
それぞれが悲しみを抱いてる。
俺たちが行く道は、どこに繋がってるのだろう?
5人が、お互いの姿を、視界の片隅に置きながら、何も話さない...重苦しい空気の中。
翔ちゃんと智が、視線を絡め合う...
どうして?
切羽詰まった顔した翔ちゃんが、絞り出すように智の名前を呼ぶと、智も手を伸ばしてそれに応えようとする。
ダメだ!!このままにしてはおけない///
俺が咄嗟に智の前に立ちはだかるのと、相葉さんが翔ちゃんの前に立ちふさがるのと、同時だった。
魂が呼び合うように...
寄り添おうとした二人を、俺たちが断ち切った。
行かないで、智///
翔ちゃんの側に帰らないで///
「...あぁ..さとし..すき..んぁ..」
その夜。
抜け殻みたいな智を、強引に誘った。
「...もっと..さと..愛してるよ...智..」
「....んん...んっ..」
ベッドに俺を横たえても尚、遠くを見るような目をするこの人を、無理やり勃たせて、その上に跨った。
...お願い、智...俺を見て///
愛してるよ///
俺だって、智がいなくなったら...
「...あ..あ..あぁ..智...智ッ///」
「...かず..っ..ん..んぁ..イキそ..」
ただただ夢中で、智の上で腰を振った。
智....
こんなに好きなのに...どうして俺のこと見てくれないの??俺の気持ち、受け入れてくれたんじゃなかったの?
.....どうしてそんなに、翔ちゃんがいいの??
「..ああ..もう...イクよ..ああああっ///」
「...俺も..でる..あああっ///」
俺たちは同時に上り詰めて、
俺は智の上に倒れ込んだ。
「智...好き...愛してる..」
「.....かず...俺は...」
「いやっ、ダメだよ!俺と付き合うって、そう言ったよね!?智が好きだよ....誰にも渡さない///」
「.....かず..」
俺だって翔ちゃんに負けないくらい...
ううん、それ以上にあなたのこと愛してる。
俺が、あなたのこと、幸せにするから...
どうか、ここに居てよ...
お願いだから...