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スパイラル 〜螺旋の先〜【気象系BL】

第9章 消えぬ想い


【翔side】

目を見開いて、強張った顔して
雅紀が俺のこと見てる。

何でそんな顔するんだよ...?

俺、なんかいけないこと、した?

「...翔ちゃん..」


.....意味わかんね〜...

雅紀の気持ちが見えなかったけど、俺はそれ以上考えるのも億劫で、着替えるために寝室に向かった。


....雅紀の気持ちが分からなくても、別にかまわない...

所詮、人の気持ちなんか、
誰にも理解できるはずなんかないんだから...



着替えをしてリビングに行くと、
雅紀がビールを持ってキッチンから出て来るところだった。

リビングには、唐揚げのいい匂いが漂っていた。

「すげぇ、旨そう♪」

そう言って椅子に座ると、
雅紀はビールを俺に渡しながら、向かいに座った。

「ありがとね、用意してくれて🎵」

そう言うと雅紀は、嬉しそうににっこりした。

「「いただきま~す」」

缶を軽く合わせて、食べ始めた。

「あ、うんめっ//」

俺の言葉に雅紀は、

「スーパーにさ、比内鶏が売ってて、ちょっと奮発しちゃった!」

「どうりで~!すんげぇジューシー🎵」

「よかった~。いっぱい作ったから、たくさん食べてね~」

目の前でそう笑う雅紀が、素直に愛しいって思った。一緒に居ると安らげる...っていうか。

「ずっと、雅紀がここにいてくれればいいのに~...そしたら、毎日旨いもの作ってくれそうだし...」

そう言いながら3個目の唐揚げを頬張る俺を、雅紀は驚いた顔して見詰めてる。

「...??...何?食べないの~?」

「...俺が翔ちゃんに言おうとしたこと、翔ちゃんが言ったから...何か、驚いちゃって...」


...俺今、何て言ったんだっけ??


「俺さ、翔ちゃんちに住んでも...いい?」

......俺は黙って雅紀を見た。すると雅紀は焦ったように、

「ご飯も、出来るときは毎日作るし...俺たち、その...つき合ってるんだしさ....まあ、ちょっと早いけど..時期なんか、関係ないかなぁって思って...」

「......」

「それに、リーダーとニノも一緒に住んでるっていうし..」


えっ??今、何て言った...?

また、頭の中であの音がする...


「ダメ...だよね...」
そう言う雅紀に、

「いいよ...」
と言った。


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