第8章 モノクロ
【智side】
ゆっくりとかずのそれを口に含み、後ろにある袋を揉みしだきながら顔を上下させると、かずの口からいつもよりも甲高くて甘い声が漏れた。
「あっ…んっ…あぁっ……」
初めての行為じゃないのに、これから抱かれるという期待感からなのか、いつもよりも数段可愛い声を上げる。
俺は、性急な動きで、彼を追い詰めていく。
「あっ…ちょ、と…まっ……はげし…っ…!」
刺激を与えるごとに、どんどん大きくなるその裏筋を舐めたり、先端に舌を捩じ込んだりしてやれば、大きく開いた両足がガクガクと震え出した。
「あっ、も、だめ…イッちゃう、から…!」
チラリと視線だけ上げると、かずは真っ赤な顔で目元を隠してて。
ちゅっと強く吸ってやると、呆気なく熱を吐き出した。
俺は目元に充てられた手を外して、わざと目の前でゴクリとそれを飲み干してやった。
「…エロ智…」
かずは益々真っ赤になって、睨んでくる。
そんな顔しても、可愛いだけで、全然怖くないけどね?
「エロいの、嫌か?」
「…嫌じゃ、ない…」
「ならいいじゃん」
俺は舌を出してかずの唇を舐めると、一度起き上がってローションの蓋を開け、中身を掌に落とす。
「…なんか、智じゃないみたい」
「は?」
「…すごい、男っぽい…」
言ってから、恥ずかしくなったのか、慌てて「今のなし!」なんて言って両手で顔を覆った。
ふふっ、可愛いな〜♪
顔を隠してる間に、掌で温まったローションを纏った指で、まだ誰も触れたことのない後ろの口の周りをくるっと撫でる。
「んあっ…」
かずはビクンと身体を跳ねさせて。
ちょっと…いや、かなりビビった目で、俺を見た。
「大丈夫。すぐに気持ちよくしてあげる。俺に任せてよ」
できる限り優しい声で言ってやると、小さく頷いて。
そっと、目を伏せる。
俺はかつてないほどの愛しさをかずに感じながら、人差し指をプツリと中に差し込んだ。
「あっ、んやっ…!」
途端、かずの身体が硬直する。
「かず…大丈夫だから…力、抜いて?」
宥めるように、身体中にキスを落としながら力が抜けるのを辛抱強く待つ。
時間を掛けて、ゆっくりゆっくり奥を目指して。
翔くんの時は、こんなに余裕なかったな…
ただ、がむしゃらに彼の中に入りたくて…
かずに、翔くんの幻影を重ねながら、2本目の指を差し込んだ。