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スパイラル 〜螺旋の先〜【気象系BL】

第8章 モノクロ


【智side】

「な、なに?」

ニノ…かずの手首を掴んで、ベッドに縫い付けると、怯えたような顔で見上げてきた。
その瞳には、ゆらゆらと涙が溜まっている。

「…ごめんな…」

呟くと、大きく見開かれた瞳から、大粒の涙が零れ落ちた。

「…大野さん、やっぱ…翔ちゃ…」
「違う」

遮って、その涙の筋に唇を当てる。

「ちゃんと、いるから。これからはずっと、和也の側にいるから」

きちんと目を合わせて言うと、一瞬、ゆらりと瞳を揺らして。
でも、すぐに視線を逸らされた。

「無理、しなくていいよ。すぐに、忘れられなくても、仕方、ないし…」

ボソボソと言葉を溢すその唇を、無理矢理塞いだ。

目を開いたまま。

かずも、ゆっくりと視線を俺に戻して。
見つめあったまま、俺の舌を受け入れている。
まるで、心の中を覗こうとするみたいに。

ちゅっと音を立てて唇を離すと、途端に眉を寄せた。

「なんで、目、開けてんのよ…」
「おまえこそ…。じろじろ見んなや」
「そっちが見てるからでしょ?」
「…わかったろ?」
「なにが?」
「…今の俺の目には、おまえしか映ってない」

驚いたように目を見開いて。

俺のせいだ。
俺が最初に、翔くんとの関係を切らないって言ったから…
だから、おまえはいつも俺の顔色を窺って、ビクビクするようになってしまった。

俺の向こう側に、翔くんの影を探して…。

「…そんなの…別に…」

それでもまだ何かを言おうとするから。

そのTシャツの裾から手を差し込んで、胸の尖りをきゅっと摘まんでやった。

「んんっ…!」

身を捩って逃れようとするのを押さえつけて、Tシャツを乱暴に捲り上げると、もう片方のそれに強く吸い付く。

「んっ…やっ…」

片手を腰の下に差し入れて引き寄せ、胸の尖りを弄っていた手をズボンに突っ込んで。

緩く勃ち上がりかけてるかずを直接握った。

「んあっ…やめっ……さとしっ…!」

やめろと言いながら、かずは俺がゆるゆると擦り上げる手を受け入れてる。

胸の尖りを舐めたり吸ったりしながら、扱く手を速めてやれば、かずのはあっという間に臨戦態勢になった。

俺は、身体を起こして彼のズボンと下着を剥ぎ取り、自分の服も全部脱ぎ捨てて。
ヘッドボードの引き出しからローションを取り出す。

「…智…?」

かずが、怯えた目で俺の手を見てる。

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