第1章 うたかた
【翔side】
いつからこんな気持ちになったんだろう...
本当の気持ちを抑えて、
好きだって想いに蓋をして、
ただお互いに与え合うだけの...
求め合うだけの、ゲームのような関係。
それでも、智くんと肌を合わせることが出来るこの時が、温もりを分け合えるこの瞬間が、俺には何よりも大切で...
月曜日が来るのが待ち遠しかった。
今が楽しければ、それでよかったのに...
もう、苦しいよ...
智くん...君のすべてが欲しくなる...
身体だけじゃなくて、心も、全部...
「...あ..あ..あ..翔くん..」
「..智くん..俺..もう..ヤバい..かも..」
何度逃しても、またすぐ波がやってくる。
「...いいよ...翔くん...イッて..」
「..ねえ~、一緒に..イキたい..自分で..シテよ」
俺の懇願に、潤んだ瞳に迷いの色を浮かべる君。
でもそれも、ほんの一瞬で、俺から目を反らせて恥ずかしそうにしながら、中心を握り込んだ。
俺の律動に合わせて、扱くスピードを上げると、萎えていたソレは再びゆるゆると勃ち上がった。
肌と肌のぶつかる音を、結合部から漏れるクチュクチュという卑猥な音が、次第に激しさを増していく。
「..ああぁ..さとし..もうイキそ..」
「...翔くん..俺も..イクッ..ああっ...出る///」
「...あ..イク..イク..んんん///」
俺たちは同時に上り詰め、
俺は智くんの奥に、熱を吐き出した。
.........
彼の上に倒れ込むと、汗ばんだ肌が、吸い寄せられるように張りつく...
このまま...
ずっと君をこの腕の中に閉じ込めておけたらいいのに...
どこにもやりたくないんだ///
俺だけの智くんでいて///
...愛してるよ...あなたがいれば、何もいらない..
言葉にできない想いが、
うっかり溢れ出してしまわないように、俺は少し苦しそうに開かれた君の唇に、自分のそれを重ねた。
......毎回、行為を終えた後は、泣きそうになるんだ...
......もう、限界なの?
身体だけの関係を演じること...
好きだって、そう言ったら...
智くん、
君は、どうするの?