第6章 Firefly
【翔side】
泣きながら、智くんが抱き締めてくれた。
こんな俺のこと、優しく強く包み込んでくれた。
「...智くん..抱いて..」
もっと、彼のことを感じたくて..
俺の中、智くんでいっぱいに満たして欲しくて..
でも彼は、黙っていた。
「...そうだよね..こんな汚い俺、抱けるわけな..」
すると、俺の言葉を遮るように、熱い唇が降って来た。
一気に俺の咥内に舌を捻じ込んで、その中を蹂躙するように激しく舌を絡めてきた。
「...ぁ..んん..んふっ..」
思わず逃げる俺のを捕まえて、強く吸い上げた。
さっき、松潤に火を付けられた身体は、
それだけで一気に熱が上がる。
「汚いなんて言うな...翔くんはいつだって綺麗だよ..」
「でも...智くん...」
すると君は、俺の肩に顔を埋め、吐き出すように言ったんだ。
「翔くんが、松潤に酷いことされてるのを見て...俺...興奮してた...勃起したんだ....汚いのは、俺の方だよ///」
俺はそんな智くんを少し離して、顔を覗き込んだ。
「嬉しいよ...智くん...俺のこと見て、感じてくれてたんでしょ??」
「翔くん...」
泣きそうな顔した君に、俺は精一杯の笑顔を作って言ったんだ。
「今夜は、最後の夜じゃん..俺のこと、抱いてくれるんでしょ?」
俺は、彼のバスローブの紐を解いて、肩から落とした。すると智くんは、俺のこと一気にベッドに沈めて、胸に舌を這わした。
「ああぁ...智..く..」
「翔くん...翔くん..」
彼の舌先が、俺の胸の真ん中で膨らんだ粒を弾きだした。
「...智くん、もっと...」
俺の声も、自分で驚くほど、急に甘さを纏って高くなる..
彼の舌先を逃がさないように、俺は妖しく動くその頭を抱き締めて引き寄せた。
「...智くん..気持ち..イイよぉ..」
「...ああ..翔くん..俺....」
『最後の夜だから』なんて、感傷的な気持ちは、もうどこかへ押やられ、俺たちはただ、欲望の赴くままに、夢中でお互いを貪った。
君が好きだと、全身で叫びながら..
...欲しいよ、智くん。君が欲しい...俺のこと、滅茶苦茶にして..
君のことを、忘れないように...
俺は、涙と涎でぐちゃぐちゃの顔を彼の脚の間に埋めた。