第6章 Firefly
【智side】
俺のものを咥えた翔くんの頭が、激しく上下する。
もう痛いほどに張り詰めていた俺は、すぐにでも達してしまいそうで。
「…翔、くん…も、いいから…」
揺れる頭をそっと撫でて言ったけど、益々動きは激しくなって。
「…あっ……待って……あ、あっ……出るっ…!」
あっという間に、イカされてしまった。
君はそれを音を立てて飲み込むと、妖しく微笑んだ。
「まだ、いけるよね…?」
聞かれなくても、俺のは一度放ったというのに、まだしっかりと上を向いてて。
翔くんは俺をベッドに沈めて馬乗りになると、噛み付くようにキスをして。
俺のに手を添えると、そのまま中に受け入れようとした。
「待った!ゴム、着けてないし…」
「いらない。この間、智くんもそのまま受け入れたじゃん。俺も、智くんのが欲しいよ…」
そう言って、尖端をぷつりと中に収めると。
ゆっくり体重をかけて、自ら呑み込んでいく。
松潤のを受け入れてたそこは、なんの抵抗もなく蠢いて、絡み付いてきて。
「…ああっ………気持ちいい………」
うっすらと笑みすら浮かべて、翔くんが俺の上で動き始めた。
「…っ……翔くん……!」
「もっと…もっときて……智くんの…もっとちょうだい…!」
なにかのスイッチが入ってしまったのか、いつもよりもっと大胆に翔くんが求めてくる。
本当は、傷付いた彼のこと、優しく包み込んであげたかったのに。
その濁流のような彼の激情に流されるままに、下から突き上げてしまっていた。
突き上げながら、前を握って扱いてやると、仰け反って喘いだ。
「あっ、あっ……ああっ……もっと…もっとだよ……!」
請われるまま、何度も揺さぶった。
下に組み敷いたり、後ろから貫いたり。
あいつの痕跡なんて、欠片も残らないように。
俺のことだけで、君を満たしたかった。
君はもう出すものがなくなっても、それでも何度もビクビクと身体を痙攣させながら、恍惚とした顔でイッて。
「…智、くん……」
小さく俺の名前を呟いて、繋がったまま意識を失った。
そのまま強く抱きしめて、その身体がひどく熱いことに気がついた。
涙が、零れた。
「…ごめんな、翔くん……」
最後に俺に残されたのは。
粉々に砕け散ったこの10年の彼への想いと。
胸を押し潰すような後悔だけだった。