第4章 俺平凡な高校生、隣の奴は…怪物?
光のない目で、顔や体全体に血を浴びている。
さっきまで人を容赦なく殺していた。
なのに何故、彼女は
…………笑ってるのだ。
「優里っっっっ!」
はぁはぁ、と荒い息で俺は目が覚めた。
彼女の名前を叫んで起きる、なんて最高の目覚めだ。
こんな汗をかいて、夢を見てなければ。
やけに鮮明に残っている夢。
光のない目で口元だけが笑っていた。
俺は吐き気がするのを我慢しつつ、新しいティーシャツに着替える。
携帯で時刻を確認すると5時30分。
いつも起きるのは6時なので、とても微妙な時間だ。
はぁ、最悪だ。後味が悪すぎる。
俺は汗を流すために、朝風呂へと向かった。
今日見た夢を誰にも話すことが出来ずに、俺はモヤモヤしながら登校していた。
あんなの正夢になるはずはないが、あの夢が示す意味が分からない。
人を殺して笑った優里。
燃え上がるこの街。
逃げ惑う人々。
これも教材室の謎に加わり俺を困らせる原因となった。
学校に着き、優里の席は空いていた。
今日も休みか遅刻と思われるが、何故だか安心してしまった自分がいた。
今会ってしまったら、俺は彼女の事をどういう目で見ていいかわからない。