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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第13章 信頼。


ドロドロになった下半身から
ずるりと燭台切様のモノを抜き
力の入らない私を燭台切様へと
寄りかからせてくれた。


大倶利様は傍らに座り
たそがれるように虚空を眺めた。


まだ軽く息が乱れていると
背中を上下に撫でてくれる
燭台切様の優しい手つきに


包まれる温もりも合わせ呼吸の
乱れも自然と落ち着いてゆく。


『………燭台切、様。』


燭台切『ん?なんだい?』


『大倶利様を傷つけないで…』


私の言葉に燭台切様は微笑んだ。


大倶利『まだそんな
戯言(ざれごと)を言うのか。』


呆れた様子の大倶利様から
目を逸らしながら俯いた。


『その代わり切る時は
私を切ればいいです。』


(切れるもんなら切ってみろ。)
どこかヤケクソに呟いた。


予想外の言葉に二人は唖然とし
二人同時に驚いた声で叫ぶ。


燭台切『な…にを言ってるんだい?』


大倶利『ついに頭がわいたのか。』


こっちが言い返せない事を
わかっていながら質問責め。


『目的が、私なら…大倶利様を
傷つける必要はありませんから。』


私のせいで仲間が傷つくなら
自らその痛みを背負いましょう。


『い…痛いの…嫌いだけど…。』


ぐすぐす…と泣き出した私に
収集つかないお二人は慌てる。


燭台切『えっ…と、だ…大丈夫。
ほらいい子だから泣き止んで?』


『ひっく…っ…ぅ。』


(子供じゃないやい!!!)


普段使わない口調が出るあたり
私の理性は崩壊しつつあった。


大倶利『………っ。』


がしがしと髪の毛を掻き乱し
撫でつけてきた大倶利様。


泣き顔の為に来たとか
言ってたくせにこの時ばっかり
優しくするなんてズルイです。


『切りたきゃ…切れば…ヒックッ
いいじゃないですかぁ…ッ。』


切ればいいと言っておきながら
燭台切様に泣きついて頭を撫で
慌てるその手を掴みながら縋る。


『ぅっ…ヒックッ…。』


二人の慰めに縋り付きながら
私は止まらぬ涙を流す。


燭台切『か…伽羅ちゃん…。』


背中をトントンしながら
私を揺らしあやし始める。


大倶利『俺が知るか。』


そう冷たく言うわりに
頭を撫でつけるその手は優しい。


慌てる二人に甘えながら掴む。


見えない心の影は怖いけど
今はこの温もりに愛されたい…





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