第13章 信頼。
不機嫌そうな顔で手入れ
されている大倶利様に微笑んだ。
大人しくしてくれるだけで
何よりもありがたいのだから
燭台切『伽羅ちゃん心配したよ…、』
大倶利『別に、必要ない。』
ツンデレにしか見えなくなってきた
資材不足のため時間をかけて
霊力を注ぎ込めば傷が治った
手を見てホッとしている様子。
よく見ていれば感情の変化は
わかりやすいものですね、
燭台切『主、ありがとう。
傷を治してくれて…』
燭台切様にも同じように
施せば照れくさそうに微笑む
イイ男の笑顔はいいものですね
『私の役目ですから…ね。』
終わった事への安堵で気が緩み
ぬっ…と伸びてきた大倶利様の
手に反応することが出来ない。
燭台切『伽羅ちゃん!!』
大倶利『動くな、
こいつに話があるんだ。』
首にかけられた手は冷たい
力を込められれば息が出来ない。
大きな手が私の首を捕らえた。
『大丈夫…ですよ、燭台切様…。』
飛びかかってきそうな燭台切様を
制止して大倶利様と向き合った。
『さて、話…とは…?』
いつ…殺されかけるのか
怖くて仕方ない迫力がある…。
大倶利『お前の目的はなんだ。』
『目的…本丸の手入れですかね。』
あと前審神者の捕獲処分
捕まえるだけ殺しはしません。
燭台切『………っ……。』
手を出せない燭台切様は
拳を握り締め耐え忍んでいる。
大倶利『…嘘だな、
お前も所詮あいつと同じだろう。』
なぜなら…とその言葉に続き
大倶利『その体で刀剣達に
淫らな行為を繰り返している。』
片方の手で胸を鷲掴みにした。
『ひゃ…ぅ。』
大倶利『汚い人間だ、貴様は。』
揉むというよりは握り締める…
力がこもったままこねくり回し
私の反応を見ているようだ。
『ぃ…ぁ…いた…ぃ゙…。』
燭台切『…伽羅ちゃん!』
大倶利『俺は他の奴とは違う…
いざとなれば俺はお前切る。』
そう言って大倶利様の顔が
近づき首に手をかけた手を離す。
ガリッ…
首に食いこむ歯は一本一本が
刀の刃であるように食い込む。
涙を零して懇願すれば燭台切様は
私と大倶利様を引き離し大きな体で
包み込んでくれた。
あぁ…なんて悲しい表情なのか
貴方の本心を聞かせて下さい。
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