第13章 信頼。
その夜、ズキズキと
痛む傷口に悩みながらも
無理やり寝ようとしていた。
大倶利様の言葉も
前審神者の式神の侵入も
これからの展開も怖くて
石切丸様の命取りの言葉が
気になってなかなか眠れず
そっと瞼をあげた。
(うまくいかない…、)
真っ暗な天井をぼんやりと
眺めていれば控えめなノック音
大倶利『起きてるか…』
えっ…えっ…えぇ…嘘
なんで?なんで…大倶利様が…
『開いてますよ…大倶利様。』
状態を起こして思ったけど
夜這いされた過去があるのに
鍵かけないって自分は馬鹿か…。
今更だなぁって思っていれば
静かに扉が開いた。
暗がりでよく見えないが
こっちに近寄ってきたらしい。
大倶利『………。』
『大倶利様…?』
彼の様子からしてまさか
その日の夜にお会いするとは
思っていなかった。
無言を貫く大倶利様に首を
傾げれば私を布団へ押し倒した。
(はっ?)
ぽかーんと見つめていれば
大倶利様は低い声で呟く。
大倶利『頭から離れないんだ。』
『…え、と。』
大倶利『馴れ合いは必要ない…
だが、お前の泣き顔が見たい。』
『えっ…ちょ…待っ…!』
大倶利『黙って泣いていればいい。』
大倶利様の吐息が近くなり
噛み付かれた傷口を舌が這う。
熱い舌が触れた時
ヒリヒリとした痛みがはしる。
『ぃ゙…ぁ…ゃだ…。』
大倶利『………、ん。』
ぬるぬると唾液が滑っていき
痛みからゾクゾクした感触に
変わってきた。
『ひ…ぅ…。』
大倶利『なんだ…嫌だと言って
おきながら…感じているのか。』
『………っ…違…。』
大倶利『いい、体に聞く。』
私の言葉を遮って首筋に
ぬるりと舌を滑らせながら
下へ下へとさがっていった。
着ていた寝間着を脱がす
ぷちぷち…とボタンを外し
露になる下着姿になる私は
抵抗らしい抵抗をみせた。
『大倶利…さ、ま』
胸をグイッ…と押しのければ
彼は低い声で言葉を放つ。
大倶利『抵抗してもいいが、
俺と向き合いたいと言うなら
言わなくてもわかるだろう?』
無表情でその言葉が本物か
判断がつかなくて抵抗という
抵抗ができなかった。
これが貴方に出来る
私の最善な事なのでしょうか…
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