第28章 出陣。
朝から出陣をお願いして
皆が私が来てからの初めての
出陣をして数分が経った。
山伏様は筋トレとばかりに
外でフンッ!フンッ!と
重そうなダンベルを持ち上げ
筋肉を高めている所を眺めた。
『監視されてるみたい。』
出ようとすれば
山伏『どこへ行くのだ主殿。』
と言って止められて
こっそり抜け出そうとすれば
山伏『拙僧も共に参るぞ!』
とばかりに付いてくる。
クロの所へ行くんですがって
正直に言うと首を振った。
山伏『今あの部屋には行っては
なりませぬぞ!危険ですからな!』
いやあいつが危険だから
いつでも危険な気がするのだが
一向に行かせてくれない…何故。
『なぜ止めるのですか…。』
腰を擦りながら軽く睨みつけると
山伏様は腕を組んで構えた。
山伏『止められていますからな!
へし切殿や薬研殿に一人にするな
と強固なまでに言いつけられてな!
カッカッカッ!大人しくして下され!』
するものか、ええい…
見通されているよぉ…。
暗殺の為に出陣させたとバレてる
無理するって見透かされてる…うぅ
山伏『それでも行こうとするなら
この筋肉を通してからにして下され!』
何その無理プレイ
腰が痛む私に筋肉見せびらかして
通せんぼする山伏様に項垂れた。
渋々と行くのを諦める雰囲気を
醸し出して上目遣いをしてみた。
『山伏様…お願い…
私…やりたいことがあるんです…』
生まれて初めての上目遣い
山伏様はフンッ!と息を吐く。
それはどういう感情ですか?
山伏『ならば…仕方あるまいな。』
やったイケル。上目遣い最高!そう…
思った矢先に山伏様が目の前に迫る。
顔が近付き肩を抑えられ動けない
『な、に…?』
山伏『主殿を見て体の内から
力がこみ上げてくるようだ。
共に修行とやらにしましょうぞ。』
その修行がどんなものか
触れる唇で読み取ってしまった。
『ん…ぅっ…。』
豪快な態度とは裏腹に
その口付けは優しくて…甘い…
山伏『たまらぬ顔をしよる…
拙僧の抑えは効かぬやもしれぬな
修行不足…これはいかん。』
柔らかい唇、熱い舌はとろける
普段見れぬ山伏様の姿に目を唇を
体の全てを持っていかれる。
山伏『さぁ、共に墜ちようぞ。』