第27章 盲目。
頬に触れる手は冷たくて
背筋がゾクッと冷や汗をかく
怖いとかそういう域じゃなくて
呑み込まれるような感覚。
陸奥守『おんしゃはまっこと…
あったかいのう…。』
むに…と持ち上げられる頬。
弄って遊ぶというよりも
まるで感触を確かめる様に
触れるものを感じるように
陸奥守様は触れてくる。
『むちゅのかみ…さま、』
陸奥守『…ふは、何じゃ
わしの名前が呼びたいんか?
じゃが…塞がせてもらうきの。』
むちゅ…と唇が合わさった。
『ん…ぅ…っ』
陸奥守様の服に縋るように
掴めば微笑みながら唇を離さず
舌を強引に入れようとする、
陸奥守『………皆が夢中になるのも
わかる気がするのぉ。』
くちゅ…と合わさって
ぬるり…と入ってくる彼の舌。
大きな手に頬を包まれて
逃げられないけどどこか優しい
男の人の匂いにつられて
胸がドキドキと高鳴ってくる。
彼は知りたい
知っていたことを知りたいと
心から望んで心に聞いている。
人の気持ちなど
見えるものではないのに…。
陸奥守『ええ顔するのう、
我慢する気はもうないぜよ?』
伸びてくるゴツゴツとした
彼の手が私の胸を揉む。
片手は顎を引いて口付けから
逃がさないように捕らえて
むにむにと形が変わるほど
揉みほぐされてこみ上げる熱に
喘ぎ声が溢れだしそうになる。
『ふぁ…ん、っ』
陸奥守『考えたらいかん…。
わしが感じればいい話じゃがのう
今はうまく読み取れんのじゃ。』
『陸奥守…様、』
陸奥守『気持ちよくしてやるきに
その心ごと任せちょけ、な?』
彼の唇は頬に触れ耳に触れ
だんだん下におりてゆく。
身長差にやりにくいのか
陸奥守様は私を押し倒し
ぶつけない様に頭を支える
陸奥守『気を楽にしてるぜよ。…』
こんな時にもどんな時でも
守る為にと命令をしない私が
間違いなのかといつも不安に
駆られてしまう。
命令は嫌い…でも
逃げたい気持ちは常にある。
陸奥守『震えとるのう、
何を怖がる必要があるがか?』
全部が全部怖いのだ。
何される何をされた
私が出来ることがそれだけか
永遠と続く葛藤に
私の悩みは尽きることは…ない。