第27章 盲目。
こんのすけにあらかた説明し
政府に連絡をお願いした。
この本丸にいては
こんのすけまで巻き込みかねない
刀二本はもう少しだけ目を
覚ますのを待ってほしい…。
私の部屋に戻り沢山の
愛のぬいぐるみに囲まれた部屋
なんて幸せな光景なのか…
この場面で昨日起きた事が
こんなにも息苦しいとは…
こんこん…。
襖を控えめにノックする音
反射的にビクつくも今は昼…
ゲームにしては早すぎる…。
今剣『あるじさま…?』
声に急いで答えるように
襖を開ければ後ろ手に何か
隠したような今剣様が立っていた
『今剣様…?』
今剣『あ…あのですね、
あるじさまがぼくたちのために
がんばってるときいたので!』
これ!と差し出されたのは
私が全員に手渡した御守り…
対審神者用の霊力を込めた…
『こ、れを…?』
今剣『あるじさまがもってください!
ボクこれでもすごーくつよいんです!
だからきっとこのおまもりが
あるじさまをまもってくださいます!』
はい!と両手で私に渡そうとする
今剣様に私は優しく微笑んだ。
しゃがんだ時に、腰がズキッと
痛んだが顔には出さずに向き合う。
『ありがとうございます…今剣様…』
言えない、刀剣達が
巻き込まれているということを…
御守りは意味が無いのだと
伝えなければならない、けど…。
『では、新しい御守りを
交換ということでどうでしょう』
今剣『………っ!
ボクにも…またいただけるのですか?』
『はい…感謝を込めて貴方を
守ってくれる御守りをお渡しします』
霊力の無駄遣いだなんて
思わない…こういう時の為にある
そう思えば便利なものだ…。
今剣『ありがとうございます!!』
だってこんなにも喜んでくれるなら
私は何だってやってあげたいのだ。
待ち受ける恐怖に身が震え
逃げ出したい足があろうとも…。
空は澄み渡る大空が広がり
何も知らない鳥が飛び回る。
空にいればこんな事に
苦しまなくて済むだろうか…
上から見下ろす私とは
どんなにちっぽけなのだろうか
今剣『へへ…っ、』
今は…目の前の今剣様を
撫でることにしよう…この笑顔を
守る為にも負けてはならない。
陸奥守吉行様の心を救わなくては…