第27章 盲目。
とりあえず刀が届いたのはいい
けど、ゲームに刀剣が関わって
いるとなると刀も霊符使えない。
『………不利すぎる。』
こんのすけが騒いでる中
私は考えを巡らせて策を探る間
クロは楽しそうに微笑んだ。
クロ『僕が何かしなくても
既に刀剣達は動いているよ…。
僕はそれに力を加えただけさ
さぁ、僕を楽しませてよ…。』
こいつの考えサイコパース
どうしたら…刀剣達を救える…?
『ゲス野郎…。』
クロ『殺しはしないだけ
ありがたいと思ってほしいな…』
誰が思うか…。
これ以上、話しても埒が明かない
こんのすけもパニックで白目だ。
狐の白目とか初めて見た。
抱き抱えてイライラしながら
部屋を出ようとすればクロは
明るい声で語りかけた。
クロ『次の刀剣は陸奥守吉行…。』
『………っ!』
名前を聞いて振り向けば
クロは闇を纏って笑っていた。
クロ『助けられるといいね…』
『………あんたに言われなくても
刀剣達を守ってみせるっ。』
クロ『いいね、いい意気込みだ…』
私はもう振り向かない。
こいつの目は嫌いだ。
父以上に刀剣達の命を
道具だと思っているから。
こんな事になるなら…刀剣達に
人の身を与えた事が罪深い…。
人間は欲深い…そして醜い…
それでも私も同じ人間だ…。
前審神者と同じ…。
こん『主様は…貴方になど
負けはしませんぞ!絶対です!』
少し復活したこんのすけが
抱えた腕から後ろにいるクロに
向かって吠えた。
腹の底からはき出すように
こん『この方は立派な…誰よりも
素晴らしい審神者様です!!!』
『こんのすけ…。』
もういいよ…とばかりに抱き締め
こんのすけの毛に頬を寄せた。
どんなに嘆いたって変わらない
やるしかないんだ…今は…。
襖に手をかけて開け放ち
結界の言霊を呟き襖を閉める。
封印…結界よりも強度なものを
クロ『待ってるよ、君が堕ちるのを…』
部屋の中にいるクロの言葉が
胸に突き刺さり絶えるように
唇を噛み締めた。
じわ…と痛みが広がるも
今は正気を保つ為に必要な痛み
決意の揺るがさない為に。
『負けるもんか…。』
こん『主様…』
こんのすけの頭を撫でながら
その場を後にした…