第27章 盲目。
『殺す。』
クロ『あっはっは!』
今目の前にいるクロを
殴りたくて仕方ないんだけど
誰も私を責めないよね。
結界は私の事を通すから
便利でいいね、ほんとにね。
『手を出さないって
言ったじゃないですか、あ゙?』
クロ『怖い怖い…言ったよ?
手、は出してないよ…フフッ』
余裕の笑みで微笑む
前審神者の態度に胸糞悪くなる。
『貴方の決めたゲームに
刀剣達を巻き込まないで…っ』
クロ『心の闇を解き放つ
僕の楽しみにもなる…ねっ?
一石二鳥でいいじゃないか。』
私は霊符を持ち直して
目の前のクソ野郎に向けた。
今すぐに殺さなければ
こっちが先に心から殺される。
『ふざけるな…っ、
刀剣達がどんな想いでいるか
貴方にはわからないのか!!』
クロ『わかるも何もどうでもいい
刀と人間、使うか使われるかだろ』
どこか…私の父と似ているところが
またクッソ腹立つんだけど…。
私はもう我慢ならないと
攻撃を向けようとすれば、
バタバタと何か小さい生き物が
走ってくるような音が聞こえた。
こん『主様ぁぁぁぁあ!』
結界の向こうから狐の声がする
気のせいだ気のせい、
こんな最悪なタイミングで来る
狐など私は知らない。
こん『届きました!届きましたぁ!』
しかも凄いタイミングで
刀が届いたとか騒ぐ狐とか知らない。
クロ『………ククッ』
クロは笑いを耐えて声を抑えていた
どうしよう、この構えた霊符
こんのすけに当ててもいいかな。
ダァァンッ!
どうやってそんなに勢いよく
開けたのか不思議な音を立て
こんのすけだろう狐が叫ぶ。
後ろから来たものだから
姿は見えないけどこんのすけだ
間違いなくこんのすけだ。
こん『ここにおられましたか!』
私が視界を遮って
クロの姿が見えないのだろう。
何も知らないこんのすけは
何か呟きながら声が近付いてくる。
こん『やっと先程!
完成しましたです…って、ギャア!』
隣にちょこんとと座った瞬間
目の前の人物に気付いたこんのすけ
クロ『……久しぶり、こんのすけ。』
こん『なななななぜ、ここに…。』
私がお茶に誘ったって言ったら
こんのすけは怒るだろうか…。