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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第24章 崩壊。


『………はい。』


やっぱり今かぁ…なんて
逃げたい気持ちを押し殺し
私は彼と向き合った。


堀川様は私を見下ろし
細めた瞳で見つめてきた。


感情が読み取れない瞳…、
逸らせずに見つめたままで
いると堀川様から口を開く。


堀川『わかってるんですよね、
僕があの人を此処に入れた事。』


あの人…前審神者をあの人呼び…
入れたというか呼んだというか
なんというかは微妙だけれど。


『まぁ、わかってますね。』


堀川『審神者さんの事
僕よくわかんないんですよ…

桜の木は直さずにそのまま
手入れの時に気付いたのに
僕に何も言わない…。

ねぇ、どうして?』


彼は首を傾げて問いかけた。


『桜の木については
霊力だけじゃなく霊符も…
準備が足りてないのです。

堀川様に聞かなかったのは
私の心の準備が…。』


堀川『準備…ね、
随分足りない審神者さんですね。』


ひっどい…その通りだけど…。


『前審神者を此処に入れた理由は
貴方に聞いてからでもいいかなと
責めずに、今に至ります…。

近々会いに来るとか
行ってたので私から行かずとも
来るのは察しておりますし…。』


堀川『ふぅ…ん、じゃあ…今日の夜
僕が審神者さんの部屋に行くね。

そこで全部話してあげる。


心の準備しておいてくださいね?』


唐突すぎて私がついていけない。


でも逃げてばかりじゃいけないから
せっかくのご好意だ…受け止めよう。


『…が、んばります。』


ものすごく怖いけどなっ!


堀川『理解されなくても
僕は僕の意志で動いてるんだ。

それだけは忘れないで。』


『はい…。』


彼の真剣な眼差しに嘘はない
そう信じたいと思うあたり…


私は人がいいのだろうか…
それともただの馬鹿なのか…。


堀川様の意志とは何か…
前審神者への想いとはどれ程か…


全て聞かなければ…
そう…全てを終わらせる為にも。


『夜…部屋で、お待ちしております。』


堀川『うん…逃げないでくださいね?』


『善処します…。』


今から逃げたいんです。


彼の視線から逃れる為に
後ろを向いて山姥切様の元へ歩く。


振り向けない…振り向いちゃだめだ。





(彼は…どんな表情をしている…?)





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