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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第19章 戦争。


江雪様にお誘いを受け緊張した
面持ちで後ろをついて歩く!


『あの…小夜様と宗三様は…?』


江雪『席を外しております。』


それ以上は語らない。


歩幅が違うのだが小夜様と歩く
おかげか歩幅を合わせてくれる


お陰で歩きやすい速度だ。


江雪『………着きましたよ。』


着きましたよ、と言われたのは
今は空部屋の審神者部屋…。


どうしてわざわざここに…


『失礼します。』


そっと部屋に入れば殺風景な景色


蛍丸様はずっとここに居た
けれど今は誰もいなくなった部屋。


江雪『あなたは…戦うとは
どういう意味だと思いますか。』


江雪様は前を見つめまま
背中にいる私に声をかけた。


表情はこちらからは見えない。


『戦争…ですか、』


江雪『刀をとり、切りつけ合い
そして奈落の底へ沈んでゆく。

あなたは悲しみを溢れさせ
崩壊させたいのでしょうか。』


言葉の意図がようやく読めた。


『お聞きになったのですね。
出陣を近々するという会話を、』


彼は戦を嫌う当然の反応だ。


江雪『えぇ…またあのような
地獄が始まるというのなら…』


私は唇を噛み締めた。
溢れ出る殺気に身を守る為にも
強く意識を持つ為に噛み締めた。


江雪『今すぐここで息の根を…、』


江雪はすぐさま首をふり
違う…違う…と言葉を探していた。


江雪様は手を目の前に持ってきて
まるで祈るように両手を重ねた。


江雪様は何かに縋りたいのかな…。


『江雪様…、』


震え出す背中に両手をそっと
手を付けばびくっ…と反応する。


サラサラな髪が私の手に触れる。
じんわりと温かい体温が伝わる。


江雪『もう…地獄は嫌なのです。』


重ね合わせた手を額にあてた
江雪様は神に祈りを捧げている


『江雪様…落ち着いてくださ…い』


どうか私の声も聞いてください。


江雪『戦を繰り返し血を浴びて
弟達が傷つき涙を零し…また戦。

何度…繰り返すのでしょうか。』


出陣するというワードに
異常なまでの執着心と恐怖…。


心が癒されてないばかりか
軽くパニックをおこしている。


背中を撫でるように摩っても
震えは止まらず悲しき時間が
ただただ過ぎてゆく。


『江雪様っ…』





私の声は、まだ届いてはくれない。




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