第17章 集会。
小烏丸『我が娘よ、呆けた表情だな』
こんな美形なお父ちゃん
私は知りませぬが…私の父なら
あの席でふんぞり返ってます。
殴りたいですよね。
『こ…小烏丸様…。』
小烏丸『如何にも。遅れてすまぬ。』
一緒に来た訳では無いので
そこを責めている訳では無いのです。
父『娘、だと?』
我が父は咳払いをして
怪訝そうに尋ねてきた。
多くの審神者がいる中で
小烏丸の存在は異様な輝きと
存在感をはなっていた。
政府軍を納得させるのは
彼一人で十分すぎるくらいに
父『その審神者の刀剣だと言うのか』
小烏丸『紛れも無く、
俺はこの子の刀剣であり
この子を娘と思っておる。』
初めて聞きました、
初めてお会いしましたよね…?
でも我が父の顔は傑作です
いいもん見たな今日はいい日だ。
小烏丸『ふむ…報告とやらは
済んでおるのなら帰ろうか。
皆、主の帰りを待ってるぞ。』
『えっ…ぁ…、』
小烏丸『失礼するぞ、』
私の方を抱いてグイッと
扉の方へ引き寄せれば誰の
制止も聞かずに歩き出した。
掴まれた肩がじんわりと
熱くその手に気持ちが落ち着いた。
私は深呼吸をして扉の手前で
立ち止まり振り向かずに呟いた。
小烏丸様も無理に引かず
私の言葉を待ってくれていた。
『お父様…。』
父『なんだ。』
『貴方にとっては面倒事を
押し付けたと思ってるでしょう。
ですが、私はあの本丸で
仲間を家族を見つけました。
護るべき家族を…。』
父は何も言わない
言葉なん…必要ないと思ったのか
『ありがとうございます。
私はあの本丸に出会えて良かった…』
そう言い残して小烏丸様と
集会の場を立ち去った。
最後まで父は口を開かない。
分からない…わからないや…。
血の繋がった父でさえ
家族と呼べなかったのに
なんて悲しいものだろう。
小烏丸『帰るぞ、皆の所へ。』
『はい…小烏丸様。』
心の繋がりこそが家族なら
いまここにあるのがその奇跡。
仲間を…家族を…私は、護るんだ。