第17章 集会。
ざわざわ…ざわざわ…
周りのどよめきが滑稽で
私は鼻で笑ってやった。
『前審神者を逃がすとは
随分とお疲れのようですね…。』
嫌味を含めた言葉をつきつけ
どんな反応がくるか期待すれば
父『管轄が違うが
それ相応の処分を下そう。』
『本丸への資材要求と資金を。』
私の霊力が朽ちる前に。
そう言い出せば"良かろう…"と
首を縦にふってくれた。
周りの政府軍は渋々といった
様子で父の反応に従っていた。
父『出陣はまだのようだな。
手入れした刀剣から出陣させろ。』
余計なお世話だ
私には私のペースがあるし
刀剣達は戦の道具じゃない。
父『歴史を守る為に刀を使え。』
まるでそれが審神者の仕事…
とでも、言うように私を見下ろす。
『クソ親父…』
キレないように大人しくしていた
私は今気づいたキレるタイミング
それを待っていたということを。
『刀剣達はただの道具じゃない』
周りの反応のざわつきなんて知らん
相手が最高責任者とかどうでもいい
『過去も未来を守る大切な家族だ
それを道具と言うならば人間など
朽ちてしまえばいい、今すぐに!』
私は死にたくないがな!!
そう息を荒くして言えば
父は鼻で笑っていた…似てるなクソ
父『戯言を…刀を使うのが人だ。
それを忘れてはおるまいな…?』
『うっさいわ。刀に守られている
私達が何を言ってんだ頭冷やせ。
刀に守られなければ人間も
歴史を変えられて消えてゆく、
守られているのは私達人間だ。』
お互いの言い合いを
誰の邪魔をされずに繰り返す。
最高責任者と新顔審神者の
光景は歴史に残るインパクトを
放っていた事だろう。
しかし…一人の刀剣の声で静まる。
小烏丸『随分と賑やかな集会だのう。』
聞き慣れないこの場に居ない
刀剣の声に思わず振り返った。
私の元まで歩いてくる刀剣…
…全刀剣の父と称する
小烏丸『我が娘がその中心なのか?』
"小烏丸様"が今目の前におられる。
わかる…この御方は私の本丸の
小烏丸であると…溢れる霊力で
伝わってくる…なぜ、ここに…。
あの"小烏丸様"がおられるのだろうか