第17章 集会。
こん『ななななな…っ!!』
『"な"が、多くない?』
こん『なぁぜ!!
お一人なのですかぁぁ!!』
案の定な雄叫びを聞いて
私はやれやれと肩を落とす。
街へと先に案内をして
詐欺に遭わないようにと伝え
一人で集会所へと辿り着けば
こん『あぁるじさまぁぁぁ!』
叫ぶ狐と出くわした。
周りにはお気に入りの刀剣や
カンストや極になった刀剣を連れ
落ち着いた審神者に慌てる審神者
他の本丸の審神者と刀剣で溢れる。
そんな中で目立つのがこの私、
刀剣を全て失った審神者なのかと
噂されている。新顔で刀剣無し…
仕方のない反応だろうけど、見るな
『はいはい…行くよー。』
こん『お待ち下さい!主様!
まだ話は終わっておりませんよ!』
始まっても終わっても
結果は同じなんだから…もう
『ごめんね…こんのすけ。
でもこれは私の戦いだからさ…』
巻き込みたくないんだよ…。
こん『で、ですが…。』
渋るこんのすけを抱いて
審神者が座る席へと向かう。
まるで裁判所に相応しい場
配置も似ている…
嫌な場所だここは…本当に…
政府の視線を一身に浴びる
真ん中の席が空いているので
目立つ私が座ってやった。
周りの審神者と刀剣が
慌てふためく姿を平然な顔を
作って心の中で私が慌てる。
ギィ…ッ。
政府側の扉が開きゾロゾロと
ムカつく顔が勢揃いしてきた。
見たくもない顔がそこにある。
こん『主様…。』
『大丈夫よ…大丈夫。』
それは自分に言い聞かせるように。
政府の奴らが揃いだし
一番偉い席に政府のトップが
腰を下ろし私を見下ろした。
そして、声を高々に言い放つ。
政府『ほぉ…まだ生きておったか。』
一番会いたくなかった人
私と似ているその顔を睨みつけ
『えぇ、元気ですよ。』
聞こえるような声で言い返す
帰る居場所になった本丸に
行けと命じた張本人であり、
政府の"最高責任者"…そして、
血の繋がった唯一の家族。
『貴方もお元気そうですね…お父様』
一番も思ったことはないけれど…、