第17章 集会。
『はーせーべっ、』
ギクッ…。
長谷部は柱の影にこれでもか!
と潜り込ませようとしていた
いやだから無理だってあのさ
体の幅と柱の幅を見てみなよ。
長谷部『………っ、あ…主!』
『なぁにっ』
うん私が最初に呼んだんだが
まぁ良しとしよう、何ですか。
長谷部『な…なぜ、俺を…その…。』
『近侍にしてくれないのかって?』
しゅん…と落ち込む長谷部の傍へ
寄り添うと自信なさげに見下ろす
こく…と頷いた長谷部に手を伸ばし
落ち込む頭をよしよしと撫でた。
『馬鹿だねぇ…、
頼りにしてるから本丸を任すの。』
長谷部『た…よりに?』
少し元気が出てきた長谷部は
真っ直ぐに私を見つめた。
『集会は行かなきゃならない
本丸が審神者無しのもぬけの殻…
長谷部…貴方に頼むのですよ?
私が居ない間よろしくねって…。』
ぽんぽんと頭を軽く叩けば
長谷部はパァッと微笑んだ。
長谷部『へし切長谷部!
その命、確かに受け取りました!』
ハハッ!単純!!
可愛いなぁ…もう。
あながち嘘でもないからいっか…
『何かあっても無理はダメ…』
長谷部『はい!!』
あぁうん、絶対わかってない。
一応、本丸の霊力に変動がないか
感知する札を持って行くからすぐ
気付く事はできるんだけど、
前審神者が寄越した偵察用の
あの黒猫も連れていくし…、
結界も強めたから…何かあれば
私にも何か影響が来るだろう…。
くる…と長谷部に背を向けて
早く行きたそうな皆さんの元へ
歩いていった。
後ろから長谷部は大きな声で
"ご武運を!!"なんて言っている。
出陣する時のワープゲートへ向かい
薬研様にスイッチを押してもらう。
別に機械音痴な訳じゃない。
やったことが無いだけである。
『行ってきます。』
ワープする前に呟けば
長谷部の後ろから宗近様や
小狐丸様に鶴丸様などなど
本丸に残る刀剣達が笑顔で
手を振ってくれた。
行ってきますと言える場所
ただいまと言える居場所…。