第15章 嫌悪。
ずる…と抜かれた彼のモノ
繋がる愛液が色気を増して
欲をさらに高めるようだ。
『ひ…ぁ…、』
抜かれた時にカリが
腟内を引っ掛け愛液を掻き出す
国行『最後の最後まで
エロい声出さんといてくれます…』
やれやれと首を振りながら
背中を支える手だけは離さず
耳元で労る声をかけてくれた
彼の手首の傷は今も痛々しくて
その眼鏡の奥の瞳には涙は今も
零れずに溜まっているのだろうか
『………、』
私は彼の肩に手を置いて
霊力を少しずつ送り込んだ。
傷を心を温もりをあらゆる
全てのものを注ぐように。
国行『何しよりますの…。
そんな事したところで
無意味なのはわかりましたやろ、』
『…っ…それでも…嫌です…』
国行『さっきから嫌や嫌やって
言うてもな、どーにもならへん』
『……っ。』
ブンブンと首を振って
霊力を全力で送り続けた。
無意味なんかじゃ…ない。
『蛍丸様が…眠ったままなのも
貴方のせいじゃないですか…。』
ビクつく彼に更に言葉をなげる
『貴方が笑わないから
傷ついても泣きもしないから…
蛍丸様が帰ってこれないんです』
誰も貴方を責めないでしょう
でも私は貴方にこそ気づいて欲しい
国行『何言うて…、』
『貴方を護りたいから
あの部屋に依存するんです。
前審神者に明石様を
解放してほしいから自分の身を
犠牲にしてるんじゃないですか』
姿の見えない主に縋る刀剣
それはあまりにも残酷な光景。
『貴方が自分を責めるのは
私は止めることは出来ません…
ですが…、愛染様と蛍丸様から
目を背けてはいけません。』
一番向き合わなきゃいけない
家族がいるじゃないですか。
彼は一期一振様とは違うけれど
れっきとしたお二人の保護者だ。
国行『せやかて…自分は…。』
『貴方が求めるように
救われたいのは蛍丸様も同じ…
愛染様も待っているのですよ。』
霊力を注ぎ終え、傷を治し
彼を抱き締めて頭を撫でた。
撫で慣れない彼は戸惑う。
国行『…せやかて、もう…。』
『迎えに行きましょう、明石様。
見えない道は私が作ります。
手を引いてあげてください。』
彼は私の言葉に躊躇しながら
一つゆっくりと頷いてくれた。
国行『蛍丸をよろしゅう頼んます…』