第15章 嫌悪。
どくん…どく…と脈打って
彼の愛液が注ぎ込まれても
どこか心は満たされない。
くたぁ…と力が抜けて彼に
寄りかかれば思いのほか
優しく背中を摩ってくれた。
『っ…はぁ…はぁ…。』
国行『吐息までえろいとか
卑怯すぎませんかぁ…?』
『…ぅ…言わな…ぃで。』
無意識に吐き出した吐息を
指摘されて我慢するも高まる
体の熱はおさまってはくれない。
『明石様…、』
国行『はいはい、なんです。
こんなもんじゃ満足できへんの?』
『ち…がうもん。
明石様…懐かしいって言ったです』
びく…と、体が反応した。
『戻れないって言ったです…。』
国行『それがなんだと
言い張るつもりですか?』
『進む事は…出来ると思うのです。』
諦めたら終わるけど
踏み出しても戻っても何か
変わることがあると思うから
でも私の言葉に
明石様は俯いてズンっと突き上げた
『かっ…はッ…』
国行『もう無理なんよ、主はん。
蛍丸はもう眠ってしまったんや』
彼は一気に突き上げ自身の
袖を捲りあげた。
『っ…ぁ…な、んで。』
手首の複数の傷に涙が零れた。
まるで彼の代わりに泣くように
国行『何度も何度も謝って
傷つけて呼びかけても蛍丸は
帰ってこーへん。生きてても
もうなーんも意味無いんよ。』
『そ…れ、は。』
国行『だから主はんにぜーんぶ
出し尽くしたら刀解…頼むわ。
国俊可愛がってや…蛍丸と一緒に
眠ることにしますわ、』
ずぷ…ぐちゅ…と優しく
突きながら吐き出す言葉は
悲しみを帯びていた。
喘ぎ善がって彼に言葉が綴れない
『だ、めれす…だめなの。』
国行『何がダメと言うんです…?』
『ひっ…ぁ…ぁっ。』
国行『なぁ、何がダメなん?』
問いかけながら
奥を突く刺激に体の内から
限界を告げる。
もがこうとして固定されたまま
突かれて私は絶頂が近付く。
国行『っ…、締まりよるなぁ…。』
彼が耳元で囁いて
ぬる…ちゅ…と耳を舐めてきた。
ゾクゾクとした音に
私は絶頂に頭が真っ白になった。
国行『っ…自分…何が
いけなかったんやろうなぁ。』
呟かれた声があまりにも小さくて
思わず彼を強く抱き締めた。
繋がれたままの熱を
分け与えるかのように…強く強く…