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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第15章 嫌悪。


こんのすけを送らせて
私は本丸内を歩く事にした


なまった体を鍛える為に
歩くんだけど出陣の方が
手っ取り早いと今更気付く。


方向先は審神者部屋
一度も入ったことがない
見たことも無い場所へ…


気分と言えば気分だが
刀剣達は誰もその場所へは
行けないだろうからと思い
来てみれば…、


『ん…?』


審神者部屋の部屋の前に
誰かいることに気付いた。


へぇ、ここに来れる刀剣が
いるとは思ってなかったな…。


『もーし、』


膝を抱えて俯いていた
愛染国俊様に声をかけた。


愛染『主さん…。』


私の声に反応して顔を上げた
愛染様の前へとしゃがみこみ
目線を合わせた。


『どこか具合でも…?』


いやここに居た方が
具合悪くなるだろうに…。


愛染『いや…俺は違うくて
主さんのおかげですげぇ
調子いいんだ…だ、だからさ。』


言いかけた愛染様に首を傾げ
その言葉を待てば悲痛な表情で
私を見つめた。


愛染『国行と蛍を助けて欲しい…
俺じゃ…駄目なんだ。俺だけじゃ…』


拳を握り締め震えている姿に
そっと自分の手を重ねた。


『承知致しました。
私の出来ることを全てやりましょう』


どんな状況かもわからないけれど
私の出来ることならやらなくては


愛染『ほ、ほんとか!』


『嘘ついてどうします?
だからその握り締めた拳を緩めて
貴方が傷ついてしまいますから。』


手を撫でれば少しずつ
力が弱まり私の手を握った。


その手はどこか冷たくて…


愛染『全然…俺の声届かねーんだ。』


『お二人共ですか?』


愛染『あぁ…いや、国行は聞いてる
けど、言うこと聞いてくんない。

あいつ蛍の事ばっかだし…、
聞こえてないのは蛍の方…。』


なんか複雑な状況ですね
来派組って仲睦まじい三人という
記憶があるのに。


『とりあえず…そうですね
お会いすることは可能でしょうか』


愛染『蛍なら…ここにいる。』


ここ、とは。


審神者部屋の中…この中に
蛍丸様がおられるのか。


では、さっそく
開けてみましょうか。


そっと立ち上がれば愛染様も
立ち上がり隣に並んだ。


蛍丸様がいるであろう部屋の
襖の取っ手を掴んで引こうと
すると…







ギシッ…



床の軋みに驚き振り向いた。


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