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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第14章 幸福。


宗近様に支えられながら
小狐丸様の方を向いた。


小狐丸『…何をする気で…?』


首を傾げる小狐丸様に
私はそっと腕を伸ばした。


動いた時、鈍い痛みがはしるも
彼の首へと抱きついて抱き締める


小狐丸『なっ…!?』


三日月『素直に甘えてみよ…小狐丸。』


小狐丸『はっ…?』


困惑している小狐丸様を抱き締め
宗近様は小狐丸様の頭を撫でる。


霰(あられ)もない格好だけれど
貴方の心が冷えてしまわぬうちに


すりすり…擦り寄れば小狐丸様は
観念したのか私の背中に腕を回し
頭を撫でてくれた。


私の方が温もりで慰められている
そんな気がしてならない。


『小狐丸様…、』


小狐丸『何でしょうか…。』


『どうか自分の事だけは
否定してはなりませんよ。』


小狐丸『……っ!?』


ビクついた反応に
やはりか…と息をつく。


三日月『どれ、仲間に加わろう。』


『うぐっ…。』


宗近様にも抱き締められて
私は苦しいけれど小狐丸は
温かいでしょうか…?


狂気な刃で傷つけられても
傷痕が残ろうと私は私なのだ。


それは絶対に変わらない。
だから…小狐丸様に伝えたい。


『小狐丸様のままでいいのです…』


三日月『俺もお主がおらんと
つまらんからのう…早う戻れ。』


その闇に包まれた世界から…、


『待ってますよ、小狐丸様。』


三日月『共に茶をしようではないか。』


平和で平凡で平穏な日常を…
共に過ごしてみませんか…。


『小狐丸…様…?』


私の肩に顔を俯いた小狐丸様に
問いかけて宗近様は頭を撫でる。


三日月『小狐丸よ、』


私達が呼べば小狐丸様は
私を強くその手で抱き締めた。


小狐丸『弱き私で良いのでしょうか…』


私はその言葉に微笑んで


『私が強いので問題ありません。』


三日月『ハハッ…頼もしいからな
新しき主は…小狐丸、安心せい。』


小狐丸様は顔を伏せながら
力強く答えてくれた。


小狐丸『フッ…そうでしたか…。
では…この小狐丸、馳せ参じましょう』


その言葉が嬉しくて
泣きながら小狐丸様を出迎えた。






『小狐丸様…おかえりなさい…っ』


小狐丸『…ありがたき…お言葉をっ、』


貴方の帰る場所を、此処に。





おかえりなさい…小狐丸様っ…。




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