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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第14章 幸福。


数々の審神者を悩ませる
小狐丸様への頼み事…。


それほど重傷なのでしょうか


『私に出来る事なら
今すぐに向かいますが…?』


三日月『そうしてくれると助かる
今日あたりが限界だろうからな。』


はて、限界…とは?


三日月『今日は立派な満月の日だ。』


確かに部屋に月明かりが灯し
いつもより見渡しが良く宗近様も
この目ではっきり捉えている。


三日月『あいつも野生の血を持つ
だからのう…発情期には抗えん。』


はつじょうき…発情期…。


つまり宗近様が言いたいのは


『その相手をしろ、と。』


三日月『頼まれてくれるか?』


『えっ…と、』


断りにくい。


出陣もまだ無いこの本丸で
野生の血が騒ぐのは仕方ない。


他の本丸では出陣や演練
または遠征などで発散され
発情期にはなりにくい。


つまりこの現状にさせたのは
出陣をさせなかった私の責任


けれど、だからこそ
はいどうぞなんて言えないし
言いたくもないけど断れない。


三日月『心配するな。
ちゃんと傍で見ててやろう。』


(どうしてそうなった?)


首を縦にも横にもふれず
宗近様の言葉に迷いを見せていると
私の唇へと宗近様の唇が触れる。


薬研様の時とは違い
強引な口付けに抵抗する手さえ
抑えられ顎を固定され舌が奥へ
侵入してくる。


『んん…ぅ…ンッ』


深い口付けに唾液を流され
思わず喉を鳴らして飲み込む。


くちゅり…ぬちゅっと
態とらしい音を立たせながら
宗近様の口付けは続く。


息も絶え絶え限界を
迎えると同時に離されて
突然入り込む空気に噎せた。


『けほ…ゲホッ…、』


三日月『ちと、強引すぎたか?
まぁいい、力を抜いておけ。』


そう言って私を担ぎあげた
宗近様は物置部屋をあとにした。


口付けによってへろへろに
とかされた私は抵抗虚しく
小狐丸様の部屋へと連行される


(こうなるのなら
清光と安定様に居てもらえば…

それとも大倶利様の部屋で
寝ているべきだったのだろうか。)


今更なことを思い浮かべながら
小狐丸様の元へと連れていかれた。


空に浮かぶ丸くて大きい月は
この本丸を光で包むベールのよう


この光が神のご加護なら
今すぐにでも救ってほしいものだ。


神様なんて、信じてないけれど…。




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