第47章 満天恋月 ー 織姫争奪戦 ー / 信長END
「酌をしてやる、舞……貴様の唇に」
くんっと力を加え、舞を床へと押し倒す。
そのまま提子から直接酒を口に含み……
腕の下からこちらを見上げる舞に、そのままゆっくり口づけた。
「んっっ…んぅ……」
舞は唇を塞がれ、儚い吐息を漏らし。
酒を口の中に注ぎ込んでやると、そのままごくんと喉を鳴らして酒を飲み込んだ。
すかさず舌を差し入れ、蕩かすように絡めとる。
しばらく舞は逃げていたが、やがて諦めるように大人しくなり……
おずおずと遠慮がちに舌を絡めてきて、舌同士が絡み合う度に、まるで酔ったように思考が麻痺していく。
(舞、愛している、舞……)
想いをありったけ注ぎ込み。
舞の身体が熱を上げ始めた所で離せば、名残惜しむように唇の間に銀糸が伝った。
可愛い舞のせいで蝕み始めた情欲は、身体を火照らせ、全てを侵食していく。
「……俺は先程、天下統一が願い事かと問われて『それもある』と答えたな。他に何があるか解るか?」
「……解りません」
「なら、教えてやる。生きて帰り、貴様との幸せの先を見届けたい……そう願った」
「えっ……」
トロンと蕩けた舞の瞳が、大きく見開かれる。
信じられないのか、信じ難いのか。
なら、きちんと説明してやる。
そう思って、舞の頬に手を当て、顔中を優しく啄みながら『信じろ』と願いを込めて説明し始めた。
「俺は戦に行く。天下取りの為に、この先も…だが、俺は死なん。必ず生きて貴様の元に帰る」
「信長様……」
「俺は一つだけ永遠を知った、それは貴様への想いだ。だから、毎年七夕を祝い、短冊を書き……これから貴様と作るであろう幸せを、全て見届ける」
「あっ……」
襟元をはだけさせ、姿を現した白い肌に甘く噛み付くと、舞は焦がれた声を上げた。
それが耳に届いただけで、身体の芯は燃え上がる。
熱を持って身体を焦がし…
そして、もっと欲しいと悲鳴をあげる。
「もう貴様は、俺と幸せになるしか道はない。骨の髄まで愛される覚悟をしろ…その身体に、それを教えてやる」
そう言うと、舞は小さく頷いた。