第46章 満天恋月 ー 織姫争奪戦 ー / 三成END
「いい、よ…三成、く……来てぇ……っっ!」
舞の同意の返事を聞くや否や、また硬く熱い高まりで突き上げた。
何度も、何度も、何度も───…………
律動を繰り返し、前からも後ろからも、めちゃくちゃに舞を貪っては、いやらしく犯し。
お互いに溺れて溺れて、その情事は空が霞み始めても終わる事無く、部屋に声を響かせる。
「やぁっ…三成、く……もっだめぇ──……っっ!」
「あっ…イイですよ、舞、ぁあっ舞──……っ」
甘い水音は、雨の空気に消え。
そして、濃密な七夕の夜は過ぎていく。
『三成君の最愛の人で居られますように』
そんな儚く可愛い願いを叶え、その身体に教えるべく。
赤い痕を激しく残しては、舞に自分の存在と熱を教え込んでいった───…………
────…………
翌朝。
(ん……舞様………?)
すでに明るい日差しが差し込む中、温かい温もりを感じてふわふわと目を覚ます。
目を覚まして、一番最初に見たのは。
一糸まとわぬ姿で胸にくっつき、穏やかな寝息を立てる舞の姿だった。
「可愛いなぁ…私の御姫様……」
昨夜、あんなに乱れたとは思えない、清らかで可愛い寝姿に、思わず笑みが零れる。
衝動のままに、舞の身体を抱いている腕とは反対の手で、舞の額の髪を掻き分け……
そして、優しく唇を押し当てた。
舞は小さく身じろぎをし、少し笑むと、また穏やかな寝息を立て始め。
その安らかな姿に、何か可笑しくなって、笑いがこみ上げる。
「ふふっ、どんな夢を見ているのでしょうね…あ、猫さん?」
その時。
舞の肩越しに見える障子の隙間から、一匹の灰色の猫が、するりと部屋に入ってきた。
特に傍に寄る様子もなく『にゃー』と小さな声で鳴く。
思わず人差し指を唇に当て『猫さん』に牽制した。
「しー……舞様が起きてしまうから、静かにしてくださいね」
しかし……
猫はにゃあにゃあと鳴き続ける。
思わず気になって、舞を褥に残したまま、起き上がり簡単に着物を羽織った。