• テキストサイズ

【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第46章 満天恋月 ー 織姫争奪戦 ー / 三成END





「舞様に出会えて…本当に神という存在が居るとしたら、私は感謝したいです。ありがとうと、こんなに愛しい人に出会えた事に」

「三成君……」

「舞様も私を選んでくださって、ありがとうございます。こうして居られる事が、本当に幸せです」




敢えて素直に本音を言うと、舞は真っ赤に頬を染めて口ごもった。

その様子がなんとも可愛くて……

濡れるのも構わず、風呂敷包みを下に置くと、その空いた手で小さな身体を抱き寄せる。

温かな体温。
それに、なんとも言えない甘い匂いがする。

それを感じれば、うるさいほどに心臓は高鳴り……
心の柔らかい部分から、何かがじわじわと侵食するのが解った。




「それに舞様、私はこう思うんです。今日は七夕で雨が降っています。雨が降ると、織姫と彦星は会えないと言いますが……傘がありますよね」

「……どう言うこと?」

「傘をさせば、雨なんて関係ないと言うことです」




瑠璃紺の空からは、絶え間なく雨の雫。
しとしと、ざあざあ、音を立てて降り注ぎ……

織姫の煌めく羽衣は雨露に濡れ、もしかしたら会いに行くのに、戸惑うかもしれない。


────それならきっと、私はこうする




「貴女が織姫で私が彦星で、もし七夕に雨が降ってしまったら……私は傘をさして舞様を迎えに行きます。天の川を渡ってでも」

「三成君……」

「傘をさせば、雨でも会えます。こうして傘の中で身体を寄せ合って、お話しながら歩けば……それはとても素敵な逢瀬です、それにほら」




舞の身体に回す腕を解き、その手で柔らかな頬を撫でる。

そして、それをそのまま引き寄せ……
唇を重ね合わせると、舞の紅の味がした。




「口づける事だって出来るでしょう?」

「……っっ、三成、君って……なんか、ずるい」

「え……そうでしょうか」

「ずるいよ、もっと……好きになっちゃう」




そう言って、舞は胸にすがってきた。
雨のせいで、ほんのり湿り気を帯びている紫色の浴衣から、温かな身体の感触がする。

暴いたら中はきっと、柔らかく、熱く、そして……
心地よいのだろうと。

そんな事を思った瞬間、身体は一気に熱を帯びた。




/ 523ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp