第45章 満天恋月 ー 織姫争奪戦 ー / 光秀END
「俺は、神頼みはしない主義でな。自分で叶えた方が合理的だろう?」
───戦乱の世。
いつ死ぬか解らない世界で、不確かなものを信じるほど、危うい事は無い。
そんなものにすがるくらいなら、自分の願いくらいは自分で叶える。
しかし……
「でもな、舞。俺は星には願わないが、お前に『誓い』は立ててやる」
「誓い?………あっ」
やんわりした仕草で、膝の上の舞の身体を、畳へ寝かせる。
そのまま組み敷き、素足を絡めて舞の身体を動かないように固定して……
そして、舞の左手を取ると、その甲を食むように、ちゅ…と唇を押し当てた。
「ん……っっ」
舞が声を我慢する中、舌で優しくくすぐるように、手の甲に口づけ、ゆっくり舞の思考を溶かす。
やがて、舞の表情がトロンと蕩けたとこで唇を離し、その澄んだ瞳を見つめながら囁いた。
「お前を…何物からも守ってやる、と言う誓いだ」
ゆっくり手のひらで頬を撫でる。
吸い付くような、滑らかな肌の感触。
むせ返るような、甘ったるい匂い。
───愛しい愛しい舞を、彩る全て
「どんな辛い事からも、苦しい事からも…俺がお前を守ってやる、お前がいつでも、その間抜けた優しい笑顔で居られるように」
「光秀さん……」
「だから、お前は大人しく俺に意地悪されていろ。それに困って悩んで…その後は眩しい笑顔で笑え。お前は、俺に意地悪されるの好きだろう?」
「……っっあ」
するっ…と浴衣の襟を開き、現れた細い鎖骨に甘く噛み付くと、舞は焦がれたように声を上げた。
そのまま、しゅるりと帯を解き、腰紐を解き……
はだけさせた浴衣から見える、その舞の美しい裸体に、思わず目を細める。
「……綺麗だな、お前は」
「光、秀、さ……」
「こんなに綺麗なお前を、傷つける訳にはいかないだろう。お前は…甘っちょろいままでいい。馬鹿みたいに素直な光を、決して見失うな…俺の、道標となるように」
「……っっ」
可愛い可愛い舞。
素直で愛らしくて、馬鹿みたいに愚かで。
本当に死ぬほど、愛しているぞ?