第44章 満天恋月 ー 織姫争奪戦 ー / 政宗END
「はぁっ…んっっぁあっぁ…まさむねぇ……!」
蕩けた奥の奥まで攻めて、貫いて。
舞を甘く啼かせまくって、そして満たされる。
熱くなった腰は、止まる事を知らずに振って動かして。
硬くたぎる男の欲望は、果てて吐き出しては、まだ足りずに硬くなって勃ち上がる。
「ぁあっ…イイ……止まらねぇ、舞……っっ!」
「やぁっんっっまさ、むねぇ…っあっぁあっ…!」
甘く儚い喘ぎ声や水音は、部屋中に響き。
色濃い空気の中へと、消えていく。
頭も身体も、蕩けに蕩けて……
何も考えられないくらい、溺れて溺れまくって、甘美な時間は過ぎていった。
いつの間にか、空には月が上がり。
交わる二人を、鮮やかに障子に写しながら。
───織姫と彦星も、俺達を見守ってる気がした。
───…………
「ほら、舞。手、気をつけろよ?切るなよ?」
「ふふっ、大丈夫だよ。政宗こそ、こっちばかり見てると危ないよ。ちゃんとお鍋見てないと」
「俺はそんなヘマはしねぇ、お前に包丁持たせるほうが心配だ」
「私だって女なんだから、野菜切るくらい出来るよ」
政宗が鍋で天ぷらを上げる横で、舞が野菜を切っていく。
部屋で、散々愛し合い、心ゆくまでお互いを堪能した後……
二人で台所に立ち、七夕料理を作っていた。
本当は作った料理を舞に振る舞おうとしていたのだが、舞が一緒に作りたいと言ったので、心配ながらも包丁を持たせている。
舞は先程の瑠璃色の浴衣にたすき掛けをして。
ニコニコしながらトントンと小気味よく音を鳴らす。
その様子は何とも言えず可愛くて、心がほっこり温まる気がした。
「こうやって一緒に作るの、初めてだね。なんか楽しい」
「そうだな…出来上がりが美味ければ、過程なんてどうでも良かったけど……お前と一緒に作るなら、例え不味いものが出来ても、美味く感じる気がする」
「……っっ、ありがとう」
舞は刻んだ野菜を皿に移しながら、照れたように少し頬を赤く染める。
こうやって素直に反応するから、本当に可愛い。
褥から出て、やっと冷めたその熱が。
また再加熱するように、じんと芯が疼いた。