第44章 満天恋月 ー 織姫争奪戦 ー / 政宗END

(だから…その瞳が、俺を煽ってるんだよ)




そう思い、脚を離して、再度舞に覆いかぶさる。

額の髪を払い、そこにそっと唇を押し当て……
そして、間近で黒曜石のような澄んだ瞳を見ながら、心に溢れる想いを伝えた。




「お前が好きだ、舞」

「政宗……」

「どうしようもなく…好きだ。お前の笑顔に惹かれてから、触れたいって……ずっとずっと思ってた」




眩しすぎる舞の笑顔。
ずっと自分だけのものにしたくて、その視線を自分だけに向けさせたくて。


───焦がれて焦がれて、堪らなかった。






「溺れろよ、お前も。俺が、お前に溺れているように。俺なしじゃ居られなくなるくらい…お前の全てを愛してやる。だから、お前の全てを感じたい、心も身体も。お前が……欲しい、舞」






身の内の熱をそのまま伝えると、舞はきゅっと唇を一回噛んで、頬に手を当ててきた。

そして、そのまま引き寄せられ──………

軽く唇が重なり、離れた時には舞は真っ赤な顔をして見上げてきた。




「舞……」

「そんな風に言われたら、拒めるわけ無いじゃない。政宗は…私がこの浴衣を着てきた意味、ちゃんと解ってるでしょ？」

「……」

「私は、政宗の事が、すき、だからっ……欲しいなら…全部、あげる」




(なんだこれ、すごい可愛いな…可愛すぎる)




こんなに可愛い生き物は知らない。
惚れた弱みかもしれないが、この世の中に可愛さでこいつに勝てるものはないと思った。

心がざわついて、熱くなる。
身の内から焦げるように…身体も芯から火照り始めた。




「……お前は、本当に可愛いな」




舞の手を取り、指を絡めて、顔の横に縫いつける。

そのまま、一回唇を啄み……
内心乱されまくっているのを悟られないように、不敵に笑った。




「ぐずぐずに蕩かしてやる、今すぐ……何も考えられなくなるくらい」

「……っっ」

「待ったは聞かないからな、もう…我慢出来ねぇ」




舞が小さく頷いたのを合図に、脱げかかった浴衣を一気に暴いた。

滑らかな肌を手でまさぐり、舞の弱い所を探しては執拗に攻めていく。