第41章 満天恋月 ー 織姫争奪戦 ー / 全武将共通ルート
「舞さん、まったく意味が解らないって顔してます。とりあえず事情を俺から説明してもいいですか」
佐助の申し出に、武将達は顔を見合わせ。
とりあえずそれに納得すると、広間に軍議の時のように、並んで座った。
何故か各々、自分の前に着物を用意して。
それを見計らい、佐助はくいっと眼鏡を掛け直すと、舞に向かって事情を説明しだした。
「そもそもの発端は、謙信様が舞さんに書いた、一通の文から始まったんだ」
佐助の説明をかいつまむと。
謙信が舞に『七夕を一緒に過ごしたいから、越後に来い』と文を書いたのがきっかけだった。
その文は舞の手に渡る前に、信長の手に渡ってしまい……
それに安土に居る武将達によくよく話を聞いてみれば。
武将達はそれぞれ勝手に『自分が舞と七夕を過ごす』と認識していたようで。
当然、舞は一人しか居ない。
ならどうするか……となった時。
信長が皆に一つの『賭け』を持ち出した。
「それぞれ、七夕に舞さんが着る浴衣を用意してもらって、それを舞さんに自身に選んでもらう。舞さんが選んだ浴衣を用意した人が、一緒に七夕を祝えるんだ」
舞が一緒に過ごしたいと選んだなら、文句は言えない。
そして、信長はその事を、義理堅く謙信にも文を出して伝え……
今日、謙信も浴衣を持ってここへ参上した、と言う訳だった。
「な…何を勝手に決めてるんですか!」
話を一通り聞き、舞は真っ赤になって声を上げた。
まぁ、当然と言えば当然の事。
自分の気持ちは無視して、勝手に話が進んでいたのだから。
「私の気持ちはどうでもいいんですか?!」
「……舞さんには好きな人居ないの?」
「へ?!」
「俺は、これはチャンスだと思う」
佐助はやんわりと笑って、武将達を見回し……
最後に舞を見て、こう切り出した。