第40章 * オマケSS集 *
* 一触即発発禁止令、オマケ *
「光秀さん、もう触っちゃ駄目です!」
(また始まった……)
舞の一言に光秀はゲンナリとため息を付いた。
『お触り禁止令』から険悪になり仲直りして…
まだ一月(ひとつき)しか経っていないのに、またそんな事を言うか。
光秀は呆れ顔で後ろ頭を掻き、その理由を問いただす。
「俺はまたなんかしたか?」
「光秀さんは何もしてないです」
「じゃあ、何故またそんな事を言い出す」
「そ、それは……」
舞は少し口ごもり……
やがて意を決したように、瞳を潤ませて言った。
「私、太っちゃったんですっ……!」
(は……?)
思わず目を丸くさせると、舞はものすごく真剣に話を進めてくる。
「最近食べ過ぎちゃって、お腹とか足とか太くなっちゃったから…」
「……」
「だから、痩せるまで触っちゃ駄目です」
そのあまりに可愛らしい理由に、光秀は思わずぷっと吹き出した。
舞は『なんで笑うんですか?!』と目を釣り上げたが、それすら可愛く見えてしまうので、どうしようもない。
光秀は笑いながら舞の腰を引き寄せ、おもむろに撫でながら言った。
「そこまで太ってないだろう」
「……っ!いいえ、そんな事ないです」
「俺はこのくらいでも問題ないが」
「でも、自己管理出来ない子供は…光秀さん、嫌でしょう?」
(まったく……頑固だな)
こんなに頑なに言われては仕方ない。
痩せるのを手伝ってやろう。
光秀は舞の顔を覗き込み、その鼻先をちゅっと啄んだ。
「なら、痩せるのを手伝ってやる。それなら文句ないだろう」
「え、どうやって?」
「それは勿論決まっている……『アレ』は相当な運動量らしいぞ?」
それからと言うもの。
舞が痩せるために、光秀の御殿には毎夜甘い甘い声が響いていたという話。
終