第40章 * オマケSS集 *
* Vanilla 〜蒼き焔の行方〜 、オマケ *
「くっそ……なんで出来ないんだ」
「政宗……しょうがないよ、大丈夫」
一月(ひとつき)後の、晴れた日。
政宗と舞は市の飾り物屋を訪れ、政宗は大きなため息をついていた。
舞に贈った例の指輪……あれを大きさを直せないかと行ってみた所。
『うん、直せないね!』
と、一刀両断され、今に至る。
あんなに高かったのに(ぶちぶち)
舞は清々しく、くすっと笑い……
そして、政宗をなだめる。
「別に大丈夫、大切にするね」
「でも、そんなにデカくちゃ指から抜けるぞ?」
「鎖付けて、首飾りにするから」
「うーん、それじゃな……」
「それよりね、政宗……」
舞が何かそわそわして、政宗に話しかける。
その様子に気がついた政宗は、少し不思議そうに舞を見た。
「どうした?」
「うん、あのね。実は……」
消え入りそうな声で舞は言う。
「赤ちゃん、出来たみたい……」
(…………っ!)
政宗は目を見開いて舞を見た。
しかし、今子供が出来たとなると。
まさか……
「犯されて出来た子じゃ……無いよな?」
「ち、違うよ!」
舞は顔を真っ赤にして反論する。
「もう三ヶ月経ってるの……だから、あの事件の時は、もう妊娠してたみたい」
「……本当か?」
「本当だよ、ちゃんと…政宗の子だよ」
そう清々しく言う舞は……
とても綺麗な顔をしていた。
「きゃっ!」
政宗は舞を胸に抱きすくめると、そのまま背中を撫でながら舞に言った。
「じゃあ……すぐに帰らないとな」
「え?」
「青葉城に。祝言も挙げないと、腹がデカくなる前にな」
「え、えぇ?!」
「忙しくなるぞ、舞」
―――その後。
二人は信長の許しを得て奥州に帰り。
舞は一年後、一人の姫を産み落とした。
【イケメン戦国】姫のヒメゴト*蜜月と蝶*
「蝶々結び」に続く―……