第39章 ベイビー*ロマンチカ / 豊臣秀吉
「舞……」
額に掛かる髪を撫で上げ、そっと口付けを落とす。
顔中に口付けを落とし、そして甘く首筋を噛むと。
舞はぴくっと身体を跳ねさせ、襟元を掴んで来た。
その手にもゆっくり口付け、そしてゆっくり胸元をはだけさせていく。
「ん…っぁ……っ」
「いい匂いだな、お前の肌」
「ふわぁっぁ……っ」
「……堪らなくなる、全部、欲しい」
鎖骨の近くを甘噛みすると、そこには赤い花びらが咲いた。
手を素肌に滑らせて、浴衣を撫で落とせば……
その綺麗な裸体に目を奪われる。
傷一つない滑らかで白い肌や、柔らかそうな胸。
それから……
もっと奥深くの濡れた所も。
自分のものにしたくて、その手で確かめたくて。
全てに手を這わせて確認していく。
「ぁ…っぁあ……っ秀吉、さぁん……っ」
蕩けていく舞が可愛くて。
もっとトロトロに蕩けさせたくて……
その身体を奪って、気持ち良く愛撫していく。
熱を上げながら、健気に受け止める、その姿に。
みっともないくらい煽られて。
(ああ、やっぱり、舞の全部が好きだ)
そう改めて再確認しながら。
身体も心も溺れて、満たされていった―……
―――…………
ひとしきり愛し合って、抱き合って。
少し気怠い身体が、心地よい。
秀吉は褥で眠る舞を腕枕しながら、目を細めて見ていた。
額に口付けても起きないし。
頬を指でつつくと、犬みたいに唸るし。
(ほんと……可愛いな)
本当だったら、このまま御殿に連れて行き、帰したくない。
かっさらって逃げてしまおうか。
「……それもいいな」
「んんー……」
思わず思いを口に出すと、舞が小さく身じろぎをして、ぼんやりとまぶたを開けた。
秀吉はその寝ぼけ眼に、ちゅっと口付け、優しく微笑んだ。
「……少しは眠れたか?」
「……うん、ありがとう……」
「そろそろ起きないとな、夕刻だし着物乾いただろうし、帰らないと……起きれるか」
秀吉が舞を起こそうと少し身体を持ち上げると、それを引き止めるように、肩を掴んできた。