第39章 ベイビー*ロマンチカ / 豊臣秀吉
「やだ、帰りたくない……っ!」
(ほんと天然で男殺しの言葉、吐くんだもんなぁ)
冷めた身体が、みるみる火照っていく。
秀吉はもう一度身体を寝かせ、そして舞を抱き寄せる。
脚を絡めれば、それは抑えきれなくなって、口からするりと本音が出た。
「……じゃあ、帰るな」
「え……?」
「俺がなんとかする。ちゃんと御館様や、みんなを説得するから……だから帰らなくていい。まだ、俺の腕の中に居ろ」
「……うんっ!」
舞が胸にすり寄ってきたので、上を向かせて、また唇を塞ぐ。
そのまま、陽が落ち、夜が明けるまで……
お前を甘やかさせてくれ。
その身体全体で、愛されてくれ。
ちゃんと真正面から戦って、お前を迎えに行くよ。
駄目なら、さらって逃げるだけだ。
(だから、今は、もう少しこのまま―……)
熱を分け合い、与え合う。
その甘く優しい身体と心を包んで―……
いつまでも、いつまでも。
お互いの体温に溺れていった。
終